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☆Novel contents☆ 

(SIDE キョーコ)

屋上に佇んだまま、私は、自分の身に起きた出来事を反芻していた。

まさか、光さんに告白されるなんて…っっ

付き合って欲しいって…いわれるなんて思いもしなかった。

ショータローに捨てられてから…
恋愛なんて愚かだと、自分には関係のないことだと切り捨ててきた。

だから、こうして誰かに好意を寄せられることが
こんなに嬉しくてこそばゆいものだなんて考えたこともなかった。

( 光さん…が私を…///)

今までそんな風に意識して彼を見たことがなかったから…
変な感じだけど、彼がどんな人なのかは共演してきてよくわかってる。

ブリッジのリーダーでもある彼は、優しくて面白い。

決して人の気持ちを踏みにじるようなことはしない…誠実な人。
だから、彼の彼女になればきっと大事にしてもらえると思う…
でも…好きな人って考えた時、敦賀さんの顔が浮かんでしまった。

浮かんだその顔を打ち消すように…首を振る私。

違うわっ…私は、私には好きな人なんていない。
       それに、あの人には他に好きな人がいる。

私はまだ、復讐だって果たしていない…

だけど、ショータローに復讐するために入った芸能界で、私は知ってしまった。

自分を作っていける喜び、演技することの楽しさ…
そして、いつか一流の女優になりたいっていう新しい夢をみつけた。

その夢を実現させる為には、恋愛だって避けて通れない…
見たり聞いたりするだけじゃわからないことは体験するしかないんだって…わかってる。

いろんなことを吸収して再現できるようにならなきゃ、一流になんてなれない。

お芝居の為にといったら、光さんには申し訳ないけど、
恋のリハビリをするには、優しそうな彼はもってこいかもしれない。

そんな打算的な考えが頭に浮かんだ。

ダメ、ダメよ…キョーコ
そんな気持ちじゃ、きっと光さんを傷つけてしまう…。

…って、断ればどっちにしても同じことかしら?

…どうしよう、こんなこと初めてで、どうしたらいいのかわからない。

明日はきまぐれの収録でまた顔を合わせる…っていうのに
どんな顔をしていけばいいの?

「最上さん…?」

突然、声をかけられて私は固まった。
ゆっくりと声のした方向に視線を送ると…
夕焼けに照らされた敦賀さんが、私の方に向かって歩いてくるのが見えた。

( なんで、どうして…敦賀さんがこんなところに?! )

ひょっとしてさっきの話…聞かれた?
そう思った瞬間、…体中の血がサーッと引いていった。

確か…光さん、さっき、きまぐれの話してた…よね?

いやあ~っ!!どうしようっ…私が坊だってばれちゃった?

すっかり挨拶をすることも忘れて、固まってしまった私に敦賀さんは、キュラ!!キュラ!!と眩しい笑顔で近づいてきた。

あの顔は、嘘毒吐き紳士スマイルっっ ヒィィイイイイっっ
その表情に私は慌てて頭を下げて、彼に挨拶をした。

「つっ…敦賀さん、お疲れ様です」

頭を下げた私にプスチクと光の矢が刺さる。
そして、久しぶりのブラック怨・恨・怒の波動に怨キョ達が喜んで飛び出してきた。

( 久しぶりのシャバよ~、感じるわ~この黒いオーラ…どんどん溢れてきてるわ~ )

なんで…?私が坊だったって、わかったから怒ってるの?

近づいてくる敦賀さんが怖くて思わず目を瞑ってしまった私にかけられた言葉は

「…最上さん、さっきの彼とはどういう知り合いなのかな?」

「は?!…えっ…どういうって…」

光さん?どういう知り合いって…
でも、それを言ったら坊のことが確実にバレる…っっ
そう思った私は答えられずにいた。

…しばらくの間、沈黙が続いた。

夕闇に包まれた空には星が瞬き始めていた。
冷たい夜風に身体が冷えてくる…と思ったら、それは彼から漂い始めた冷気だった。

ヒィ~~~ッ…こ、コワイィイ…

「付き合うの?彼と…」

低い声で訊いてきた敦賀さんを恐る恐る見上げると、その顔には魔王(サタン)が降臨していた。

「ふえ~~んっ……な…んで…?
私が坊だったから…だから、そんなに…怒ってるんですか?」

私はあまりの恐ろしさに、泣き出してしまった。
急に泣き出した私を見て慌てた敦賀さんは、そんな私をそっと抱き寄せた。

「…ごめんっ、怖がらせるつもりじゃなかったんだ…ただ…」

急に抱きしめられて、びっくりした私の涙は、引っ込んでしまった。
見上げた彼の表情はいつの間にか、いつもの敦賀さんに戻っていて…
私はまだ、涙の残る潤んだ目で彼を見上げた。

そんな私の顔をじっと見下ろして、敦賀さんが訊いてきた。

「…彼のことが…好き?
…もし、そうだとしても、俺は…」

俺は…の続きの言葉を聞きたいけど、聞きたくない…
抱きしめられて心臓は壊れそうな位ドキドキしてるのに、胸は締め付けられるように苦しかった。

だって、敦賀さんには好きな人がいるから、…期待してしまう自分が怖かったんだ。
だから、私は力いっぱい彼の胸を押して離れた。

「…からかわないで下さいっ。
他にっ…他に好きな人がいるくせに…
私のことなんて…放っておいてくださいっ」

そういって逃げ出そうとした私の腕を敦賀さんは掴んだ。
そして、後ろから私を抱きしめる。

「行かせないっ、話はまだ終わってないっ…」

腕を振り解いて、離してって言おうとした私の唇を…敦賀さんの唇が塞いだ。

「んっ…」

突然のキスに頭が真っ白になって…
強引に引き寄せられて、奪われたキスなのに、
…とても甘くて      

とろけそうなほどに気持ちが良かった…。

深く長く続くキスに、いつの間にか私も彼の背中に手をまわしていた。

強く抱きしめられて、繰り返される深いキスに彼の支えなしには立てなくなってしまうほどに…
二人の影は暗闇に溶け込むように、空の闇に吸い込まれていった。

『ガチャリッ』

       突然の金属音に我に返った。

唇を離した彼は、私の口を手で塞ぐともう片方の人差し指を自分の唇にあてて、シィーっとドアに視線を移した。
薄明かりの零れるドアに金属音を立てた影が遠のいていくのを確認すると私は彼に抗議した。

「どうするんですか?
締め出されちゃったじゃないですか!」

そんな私に悪びれず彼が応えた。

「…まだ、話は終わってないし、…この状況をなんて説明するつもり?」

どうって、男女が人気のない屋上で、こんな時間に二人きり…誤解されるのは目に見えてる。

「う…でも、どうするんですか?私…何も持ってきてないんですよ?」

「大丈夫」

そう云って携帯を見せた敦賀さんの顔に私は悟った。
…これも計算のうちなんだと…
この人は私が逃げられないようにしたんだ。

「春といっても夜は冷えるから…」

そういって包み込むように抱きしめられて、私の頬は火照りを増した。

「どうしてこんなことするんですか?」

「どうしてだと思う?」

「~~っ!
分からないから聞いてるんじゃないですかっ…
好きでもないくせに…」

「…好きだよ?
好きじゃなきゃこんなことしない。
さっきも云ってたけど、俺はそんなこと言った覚えはない!!」

言い切った敦賀さんに思わず、反論してしまった。

「自分で云ったんじゃないですか!
だって…私が坊だったって聞いてたんでしょう?
だったら…」

「ボウ…坊?!彼と共演してる番組の…坊って…?」

ピンとこない顔を浮かべて私を見下ろす彼に…

「しらばっくれないで下さい。
坊です!あの着ぐるみ姿の時にしっかりとこの耳で聞いたんですから!」

「…着ぐるみ?!着ぐるみって…あのニワトリは君だったのか?!」

呆然とした表情の彼に、私は墓穴を掘ったことに気付いた。

「え…?」

うそ、ばれてたわけじゃなかったの…?
なのに、自分からばらしちゃうなんてっっ!
もう~っ!!バカバカ、キョーコのおバカっ!

…でも、あれだけキーワードが揃ったら…
時間の問題だったはずよね?
少し冷静を取り戻した私は黙ってしまった彼の顔を覗く。

すると、顔を真っ赤に染めた敦賀さんと目があった。

( 嘘!!敦賀さんがこんな顔するなんて…///)

私は自分が見たものが信じられなくて、固まってしまった。

「まいったな…あのニワトリが君だったんなんて。
俺は、君に何度も格好悪い姿を見られてたってわけだ…」

照れながら苦笑する敦賀さんに…

「そんな、格好悪いなんて、
確かにてんてこ舞いには驚きましたけど…
格好悪いなんて思ったことはありません!
敦賀さんはいつも完璧で、私の尊敬する役者で、目標なんです。
だから私は、いつかあなたと肩を並べるようなそんな役者になりたいって…」

「完璧なんかじゃないよ…
君には助けられてばかり…だったろ?
それに、俺は役者として…じゃなくて、俺の隣にずっとそばにいてほしいって思ってる」

「え?!だって、敦賀さんには…」

「俺の好きな子は君だって云っただろ?
あの時、なんて言ったか…覚えてる?」

「もちろん覚えてますよ!相手は、高校生で16歳の…」

そこまで言って、それが自分にも当てはまることだったと気づいた。

「君は自分のことだとは思わなかったんだね?」

「////」

そう言われて、私は体中から蒸気がでてくるくらい真っ赤になってしまった。
だって、私が敦賀さんに好かれてるなんて思いもしなかったから…
…だけど、私を満たしてくれるこの気持ち…

この気持ちの正体を私は知ってる。

でも、認めたくない自分もいた。
認めてしまったら、きっと…そんな私を敦賀さんが真剣な顔でみつめて…

「君の気持ちが知りたい…俺じゃ君の特別にはなれない?」

「そ、そんなこと…」

…本当は私もあなたが好きって言ってしまいたい…だけど、怖い。

光さんとは違う…
彼に囚われたら私はきっと変わってしまう。

弱い自分に気づかされてしまう…

だけど、彼に愛されたいと願う自分もいる…

そんな自分の気持ちに戸惑っていると彼が言葉を続けた。

「俺は君のことを愛してる。
多分ずっと前から、きっと出逢ったときから君に惹かれたんだ」

彼が言ってくれた言葉は嬉しかったけど、信じられなかった。

「…そんなことありえないじゃないですか!だって…」

出逢った頃の敦賀さんはどう考えても…
私のこと嫌ってたはず…

「君に初めて会ったのはもっと昔なんだ…
気づいたのは再会して、しばらく経ってからだったんだけどね」

「?」

もっと…昔?何を云いたいんだろう…
敦賀さんの云ってる意味がわからない。

「聞いたら、もう君を離してあげられなくなるけど…聞きたい?俺の秘密…」

敦賀さんの秘密…それを聞いてしまったら、きっともう戻れない。
だけど、彼のその表情に、私はもう抗えなかった。

自分の気持ちにも…
彼を知りたい気持ちに嘘をつけなかった私は…静かに頷いた。

→ 5話へ続く
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