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『 雨に濡れたKISS 後編 』

【文章】みー  


頭上から聞こえてきたのは…心配そうな敦賀さんの声だった。

私は、慌てて涙を拭うと言葉を取り繕った。
「え…あっ、ゴミが入っただけ…ですよ、
…あの…夜食用の食材も買ってきたんで…だから…」

話題を変えようとしたけど、あの人を誤魔化すことはできなかった。

           今日、あいつに告白された。
その真剣な顔に、私は…言葉が出なかった。

ショータローに復讐すること…それがこの業界に入った動機で目的だった。
足元に跪かせて…捨てたことを後悔させてやりたかった。

高校に進学もせず、東京であいつの為に尽くしてきた日々…
私の人生を弄んだことを恨んでたし、許すつもりもなかった。

なのに…なんで、私は       

好きだと云われても、私はもう好きじゃない…
私がされたのと同じように、あいつを傷つけて思いっきり振ってやればいい…って…私の中の悪魔が囁いた。

だけど、私に謝るショータローの表情(かお)は
初めてみる…切なさの交じった真剣な顔だったから…
いつもみたいに、罵倒することも…冗談にすることもできなかった。

      どうしたらいいか…どうしたいのか…
私はわからなくなってしまった。

テレビ局で人の声に気づいた私は、ショータローをつき飛ばしてその場を去った。
あれからずっと…携帯には何度も非通知の電話が入ってる。

そんな非通知の合間にかかってきたのが、敦賀さんからの電話だった。

急な呼び出しに…正直焦った。
まるでこの状況を見透かされてるような…そんな気がしたから。

あんなに憎んでたはずの男を…許すのか…?
好きだって云われて…その気になってるんじゃないか…って

           脳内の敦賀さんが私を責め立てる。

…自分でも認めたくないって思ってたはずの気持ちなのに…バカみたい。
あの人がそんなこと云うはずないのに      

だけど、こんなタイミングで呼び出されるなんて…神様は本当に私に意地悪ね?

何があった…って聞かれても答えられないし、答えたくない。

知られたくない…

こんな私を知ったら、きっと幻滅されちゃうもの      

「あの…訊きたいことって何ですか?」

質問に質問で切り返して、私は彼からの追求から逃れようとした。
   やっぱり、来るべきじゃなかったって後悔しながら。

「…なんで答えない…?…アイツに抱きしめられて…告白でもされた?」

その言葉に驚いて見上げれば、確信に満ちた目で彼に見下ろされた。

「なっ…なんでそれをっっ」

思わず口をついて出たのは肯定の言葉…敦賀さんに見られてたなんて思いもしなかった。

「……それで…なんて応えたんだ…?」

下を向いて彼の視線から目を背ける…きっと迂闊すぎる私のことを怒ってるに違いない。

答えようとしない私に…彼が本気で怒ってることを重い沈黙が教えてくれた。

…怖い…でも、やっぱり云いたくない。

この日の私は…色々あり過ぎてどこかおかしくなっちゃってたんだと思う。
だから、敦賀さん相手に…私は悪態をついてしまった。

「…敦賀さんには関係のない話です!…私のことなんてほっといて下さいっっ」

そう言って立ち去ろうとすると…

「…放ってなんておけない…逃がさない」

ガシッと腕をつかまれた。私を見つめる真剣な表情…こんな状況なのにそんな彼にドキッとした。

「…っ…お願い…離してっっ!離して下さい」 

振り払おうとしたけどビクともしない腕が…彼に触れられてるところが熱くなってくる。

「イヤだ!…アイツになんか渡したくないっっ」

グイっと引き寄せられて…次の瞬間、温かい何かが私の唇を塞いだ。

「んんっっ…」

それが唇だと理解するのに…時間はかからなかった。

長いまつ毛が雨に濡れて…私の頬を伝わってくる。
繰り返される奪うようなキスが…熱くて…甘くて…溶かされそうになる。

強く抱きしめられたその腕に体を委ねるように、…体中から力が抜けていくのを感じた。

手から滑り落ちた傘は…雨の中を転がった。

息ができな…い…何も考えられなくなるほど…彼のキスはすごかった。

嬉しくて…だけど切なくて…どうしてこんな意地悪をするの…?

私のこと好きでもないくせに       … これ以上好きにさせないでよっ…

ぽろぽろと零れだした涙に気づいた彼がやっと唇を離してくれた。
だけど、腕は掴まれたまま…

「離して…おねがい…」

「イヤだって云っただろう…今、離したら…
君を失うってわかってて…離せるわけがない」

切ない顔で私を見下ろす敦賀さんに胸がきゅぅっと締めつけられた。

「…な、んで?」

「…簡単な事だ…俺は君のことが…好き…だから」

信じられなかった…だけど、私のことをみつめるその瞳に嘘はない…。

「…私のことを好き…?」

呟くように口にした…その言葉に彼が苦笑いを零す。

「…ずっと前から…好きだったんだ…」

ずっと前から…?
だって敦賀さんの好きな人は…待って…あの時、敦賀さんは…なんて言ってた?

坊の姿で訊いた言葉を反芻しながら…彼の言葉に耳を傾けた。

「初めてなんだ…これが初恋だなんて、君は…信じてくれないかもしれないけど…」

「……」

恋の演技に躓いた姿を見てきたから…それが嘘じゃないって私は知ってる。
私は…信じてもいいの?
目の前にいるこの人を…好きでいてもいいの…?

           私は…どうしたいの?

答えはもう出てる…だって、私の身体は…私よりも正直だ。

「とにかく、このままじゃ風邪を引くといけないから…続きは部屋で話さないか?」

…そういって…彼に手を引かれた私はそのまま…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


      …そう、強制的に大人への階段を上らされたのよね…。

何もしないから…なんて言ってたくせに…初めての私にあんなっっ…///

          でも、それも懐かしい思い出だわ。

そんな昔の出来事じゃないのに、すごく昔のことみたいに感じるわ。

それは、きっと彼が隠してた秘密のせいね?

嘘毒吐き紳士は…本当に昔から嘘つきだったのよ!!!

          コーンが人間だったなんて!!

妖精さんだって信じてたのにっっっ ずっと私を騙してたんだもの!

      それを聞かされたのはしばらく経ってからだった。

一緒にお風呂に入ろうって…言われて、
すごく恥ずかしいのを我慢して先に入って待っていたら…

…ごめんね、キョーコちゃん…って金髪碧眼のスタイルで入ってきたのよ。

…思わず、裸なのも忘れて、口をパクパクと…
タオルが肌蹴てたことにも気づかず、泣き出した私はそのまま彼に抱きついてしまった。

        その後で、声にならない絶叫を上げたのも…忘れられない思い出ね。

だけど、…最初にそういったのは私だったから、彼だけを責めることはできない…。
云えなかった理由も、今ならわかるから…。

      ショータローのこともそうだ…って思った。
私は、自分のずるさも弱さも…ぜんぶ、ショータローのせいにしてた。

今思えば…ショータローがあんな風になったのも…私のせいだったのかもしれない。

嫌われたくなくて…喜んで欲しくてしていたはずなのに…
都合のいい、つまらない女になったのは…ショータローのせいだけじゃない。

私は自分で…いつのまにか自分を見失っていたんだから。

      そんな腐れ縁に終止符を打ったのは…彼だった。

ずっと避けたまま…電話にも出られずにいた私は、どういえばいいのかわからなくて…
その日も…ショータローからの非通知のコールで私の履歴はいっぱいになってた。

ブブブブブ…彼の寝室で鳴り響く携帯のバイブ音…、何度目かのそれに彼が艶めいた溜息をついて私に云った。

「君を独り占めにしたいから…終わらせていい?」

そして…その日を境にパタリと電話は鳴らなくなった。
っていうか…恥ずかしくて、二度とショータローには会えないって思った。
いくらなんでも…あんな破廉恥な事するなんて…ありえないわよっっ///
彼のした事に腹を立てた私は、翌朝、彼が目覚める前にマンションを出た。

すると、…今度は彼からの電話で履歴がいっぱいになった。 

今日は、そんな彼と待ち合わせをして指輪を買いに行く。
何度目になるのかわからない彼からのプロポーズを受けたのは…きっと雨のせい。

ジューンブライド…私たちの始まりも雨の日だったから…。

今は隠れる必要もなくなったけど、やっぱり、雨の日のデートは特別。

傘に隠れてするKISSは、あの日を思い出させてくれるから     

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~ FIN ~

2012.6.1 アイミル掲載作品
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