プロフィール

みー

Author:みー
FC2ブログへようこそ!


最新記事


最新コメント


月別アーカイブ


カテゴリ


月と星と妖精ダスト

  蓮誕まであと・・・

検索サイト


Ranking


アクセスカウンター


オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2
☆Novel contents☆ 

本誌続き妄想です。ネタバレNGな方は華麗にスルーしてくださいませ~。

愚者と呼ばれても…

(それまでのお話) 1話  2話  3話 4話  5話  6話 7話 8話 9話 10話

彼女の口から飛び出した“演技指導”という言葉にショックを受けている自分がいた。

「そうよ、アタシは早く一流の役者になりたいの…
その為にはこの人が必要なの…あんたにもそう言ったでしょう?」


セツとして抱かれたのは、一流の役者になるため     

「それじゃ、敦賀サン…行きましょ?」

アイツの前でも、役を憑けて本音を隠す…彼女の真意がわからない。
本当に俺達の気持ちに気づいていないのか?

落ち着け…落ち着くんだ。
今、あの娘がアイツの気持ちに気づいたら…どうなる?

ダメだ!そうだ、気づかなくていいんだ。
アイツの気持ちになんか           

あの娘の名を呼ぶ…傷ついた顔をした不破を見せたくなくて、
振り返ろうとした彼女を胸に抱き寄せ、俺は急いでその場を立ち去った。

***

早く一流の俳優になりたいのは…アイツへの復讐を果たす為?
だけど、その復讐が終わったら2人は     

あの日の彼女はセツであり続けた。
だけど、すべてが演技だったとは思えない…思いたくもないっっ。

ぐるぐると出口のない迷路を彷徨うように、答えなんかわからないまま、車は目的地へと着いた。

俺は素のあの娘とちゃんと向き合いたくて、俺の言葉で気持ちを告げたいから会いにきたんだ。

…今更、君を手放すことなんて出来ない…絶対に!

「…降りて」

少し後ろをついて歩く彼女の気配を感じながら、リビングまで足を進めた。

立ち止った俺と距離を保つように足を止めた彼女に、俺は背を向けたまま訊いた。

「俺と寝たのは…アイツへの復讐の為?…」

「…ちがっ」

否定の言葉に安堵しながら振り返った俺は、怯えた顔をした彼女に不安になった。
怖いから咄嗟に否定した?
本当は俺のこと好きでも何でもないのかもしれない…

「早く一流の役者になりたいから、俺が必要なのか?」

演技指導で俺に処女を捧げたって事にしたのは、アイツに誤解されたくないから?
やっぱり君はまだアイツの事を      

抑えきれない嫉妬と焦燥にまみれた俺は、彼女の肩を掴んで詰め寄った。

「すみませっ…」

そんな俺に青い顔をした彼女は謝罪の言葉を口にする…
俺は、フゥーッと息をついて、彼女の腕を離した。

怖がらせたいわけじゃない・・・俺は君の本当の気持ちが知りたいだけなんだ。

「謝らないでいいから、君の本当の気持ちを教えてくれ…
全部、俺の勘違いだった…?
君も俺と同じ気持ちでいてくれたんだってそう思ったから、俺はっっ…」


そんな俺の気持ちを、わからないという顔で見上げた彼女。

「同じ気持ち…?」

だからストレートに告げた。

「俺は、君が好きだから抱いたんだ…」

やっと言えた本当の気持ち…
だけど、それを聞いた途端、彼女は取り乱したように首を横に振りながら俺から離れていく。

「違う…抱かれたのは私じゃないっ…セツだからっ、ヒール兄妹だから…」

そう呟きながら、手を添えた頭を大きく左右に振って…認めたくないと拒絶する彼女に、アイツの言葉がオーバーラップする。
そして、絶望が忍び寄る…苦しくて逃げ出したくなるあの深い闇が。

「…そういえば君は俺にだけは惚れたりしない…んだったね」

影を落したようにそう呟けば、彼女は驚いた顔で俺を見上げた。

「なっ、…どうして、それを」

「君が…アイツにそう言ったんだろう?」

「!!」

それでも俺は、君を離せない…離したくないんだ。

「だけど俺は、好きにさせてみせるっ…」

彼女をグイッと引き寄せてぎゅっときつく抱きしめた。
すると、腕の中で震えながら彼女が言い返してきた。

「敦賀さんには他に好きな子がいるじゃないですかっっ!なのに…なんでそんなこと」

目に涙をいっぱい浮かべて辛そうな顔で見上げるその顔は、俺の事が好きだって言ってるようにしか見えなかった。
なんで急にそんな話をしたのかは、わからなかった。
だけど            

「俺が好きなのは君だけだ!」

「嘘ですっっ!!ちゃんとこの耳で聞いたんですからっっ!!」

「いつどこで誰に聞いたって言うんだ!」

認めようとしない彼女につい、大きな声で怒鳴ってしまった。

「そ、それは…っ言えませんっっ」

ぐっと堪えて目を逸らしながらそう言った彼女に、苛立ちを募らせた俺は彼女に詰め寄った。

「言えない?…何で言えない?俺が好きだって…言ってるのに
君はどこの誰が言ったかわからない話を信用するのか」


至近距離捕らえた彼女の顔…

「そういうわけじゃ…」

まっすぐに彼女の瞳をみつめて言った。

「君が好きなんだ!初めてなんだ…自分でもコントロールできない程、誰かを好きになったのは」

苦しくて切なくて…君が好きで堪らないこの気持ちをわかって欲しい!

「本当に…?」

お願いだから、俺を好きだと…言ってくれ。

「今、君を失ったら俺は…君が必要なんだ…愛してるんだ」

心の底から君を求めてるんだと本気で縋った。

「本当に私でいいんですか…?」

「君がいいんだ、君じゃなきゃダメなんだ!」

彼女は俯いて…黙り込んでしまった。

「……」

沈黙は肯定…俺を受け入れてくれたんだと思ったのに、
その顔色は曇っていた。

「…何か問題でもあるのか?」

そういうと、彼女が静かに顔を上げて云った。

「私…アイツに約束したんです…」

不破と約束…?     
        だから、俺とは付き合えないと?

いつも俺の邪魔をするアイツの存在が憎たらしくて堪らない。

「…何を?」

不機嫌を露わにした低い声で凄むと、そんな俺に怯みながらも彼女は話しだした。

「日本でトップクラスの役者になるって…だから、敦賀さんに膝まづいたりしない…って」

膝まづく?話がよく見えなかったが、
俺を好きになったら、トップクラスの役者になれないとでも言いたいのか?

    それで?」

「…できなかったら、一生…アイツの実家で仲居勤めしてやるって…
だから、私…」


売り言葉に買い言葉…アイツの術中に嵌められたんだと悟った俺は、理由がわかってほっとした。

「だったら、何も問題ないじゃないか…」

そう、何も問題ない…君は必ず目標を遂げることができるから。

「だって、私、アイツの時以上に愚者になる自信があるんですっっ
だから…これ以上、そばにいたらきっと」


アイツの時以上に…って…真剣な顔で断言する彼女に、思わず頬が緩みそうになった。
それは、アイツよりも俺の事が好きだと言ってるのと同じこと…。
思わず、にやけそうになる顔を隠して咳払いを1つすると…彼女に言った。

「俺を利用する…んじゃなかったのか?
それに、君は俺の力がなくても、必ず日本でトップクラスの役者になる…俺が断言するよ!」


俺も頑張らないと置いていかれそうなほどの役者に…きっとなる。

「でもっ」

「それに膝まづくのは君じゃない…」

俺は、用意してた紙袋の中から小さな小箱を取り出して彼女に近づいた。
そして、膝まづいて…君に愛を乞う。

「愛してる…お願いだから、ずっと俺のそばにいて欲しい」

「敦賀さん…っ」

膝を落として、俺の隣りに座り込んだ君に願う。

「君には…本当の俺を知って欲しいんだ…」

どうか、本当の俺をすべて受け入れて欲しいと      


恋は人を愚かにするものなのかもしれない…
だけど、それが本気の恋であれば、どんな愚者にでも成り下がろう。

例え、どんなに格好悪い姿を晒すことになっても、
その恋を失くすこと以上に愚かなことはないと思うから、
だから、俺は愚者と呼ばれても構わない。

あの娘に出逢って、俺はそう思ったんだ。

~FIN~

スポンサーサイト
web拍手 by FC2

コメント

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP | 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。