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☆Novel contents☆ 

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このお話は、sunnyさん主催の素敵企画に参加した作品です。
『ホテル』をテーマとしたお話で、続き妄想要素も含みます。

(2013.2.11 投稿作品)

ネタバレNGな方は華麗にスルーしてくださいませ~。

いつもと違う場所 前編

その日は、人の出入りが激しい…とても目まぐるしい1日だった。

寝ている兄さんを起こさないように手際よく朝食を作ると、私は静かにホテルを後にした。
仕事なので先に出ます…と書置きを残して       

まず、向かった先はだるまや。
着替えや足りないものを補充し、荷物の整理をしていると女将さんたちが部屋にやってきた。
二人からホワイトデーのお返しだと渡された小さな箱には、綺麗な香水が入っていた。
そんなつもりじゃ…と恐縮してると、大将が

「頑張ってるじゃねーか…その褒美だと思えばいい」

って、ぶっきらぼうに言って階段を降りていった。
女将さんと顔を見合わせて微笑んだ後、女将さんがこっそり教えてくれた。
新しいドラマのCMが流れるとお客さんに観るように勧めてるのよ…って。

私は二人からもらった香水をナツスタイルの仕上げに、ぷしゅっと…ほのかに香らせてだるまやを後にした。

3月14日…ホワイトデー  行く先々で、呼び止められては…お菓子やらプレゼントを頂いて、、、
帰る頃には両手で抱えきれないほどのお返しをもらっていた。
日頃の感謝を込めて贈ったチョコが、こんな風に形を変えて返ってくるなんて考えもしなかった私は、生まれて初めて経験したホワイトデーというものに感激していた。

人数と予算の関係で少ししか渡せなかったのに、こんなにお返しを頂いちゃうなんて…
渡さない方がよかったかしら…なんて、ちょっぴり後悔をしながら。
だけど、そんな風に恐縮してばかりいた私にみんなは、スゴク美味しかったから、来年もまた期待してるよ…なんて優しい言葉をかけてくれて、くすぐったいような幸せな気持ちでいっぱいになった。

         それにしても、不覚だったわ。

ホワイトデー(お返し)の事なんてまったく考えてなかった。
それもこれも全部、ショータローのせいね!
ショータローは…ホワイトデーにお返しなんてくれたことがなかったから、毎年繰り返されるうちに、それが自分には関係のないイベントだと洗脳されてしまったんだわ。
…自分はこんなのが食べたいってリクエストまでしてたくせにっっ! 
でもね、今日の私はそんな忌々しい過去さえも吹き飛ばしてしまえるくらい幸せなのよ~~っ

うふふふふ…♪ 思い出すだけで顔がにやけてきちゃうわっっ 

「あはんっ…愛しのモー子さんっっ」

撮影前に寄った事務所で、私はモー子さんに会ったときの事を思い出していた。

*******

「モーーー子さぁぁああああんっっ!」

その麗しい姿を発見し、歓喜のあまり突進して云った私を闘牛士のごとくさらりと交わしたモー子さん。
勢い余って壁に激突した私は、おでこにできたタンコブをさすりながら、
久し振りの再会なのに、親友なのにっっ…とハグさせてもらえなかったとぶちぶちと愚痴っていた。
すると、そんな私の目の前に小さな紙袋が差し出された。

「…ほらっ、コレあげるから、いつまでもそんな顔しないの…
って…何よ?その顔…い、いらないならいいのよ?
これはねぇっ…別にアンタの為に作ったわけじゃないのよ?…ほらっ、あの、そう私、実家に行く用事があって、、、
撒き餌用に作ったクッキーの残りだからっっ!」

「…え?」

訊いてもないのに、顔を真っ赤にさせてクッキーを押し付けてきたモー子さんが可愛くて、私は思わず抱きついてしまった。

だって実家になんてほとんど帰ってないのに…
いいえ、帰るとしても、あのモー子さんがお腹を空かせたハイエナのような甥っ子姪っ子の為に手作りのクッキーを焼いたりなんて、絶対にしないもの!!

だから、すぐにわかった…これは私の為に焼いてくれたんだって。

それが嬉しくて堪らなくて、抱きついてしまった私は、照れたモー子さんにまた怒られてしまった。
でも、あぁなんて幸せなの…って夢のようなひと時に浸っていたら、耳障りな声がそれを邪魔した。

「おいっ なんだそのアホ面は…」

何よ、今いいところなんだから邪魔しないで!私とモー子さんの美しい友情の…

…て、ちょっと待って、今の声は…っっ

ハッと我にかえってみると目の前には不機嫌な顔をしたショータローが立っていた。

「ったく、何浮かれてやがんだ…なんだ?その両手に抱えてるのは…」

「?!」

なんでコイツがこんなところに…?!

「…あぁ、そういや今日はホワイトデーか、、、
確かにずいぶんとお世話になってる人がいるみてーだな…」

嫌味をいうショータローから隠すように紙袋を抱え込み、言い返した。

「…アンタには関係ないでしょ」

すると、ショータローは目を細くして…鋭い目つきで訊いてきた。

「…アイツからも、なんかもらったのか?」

「アイツ…?」

首を傾げると…一層不機嫌な顔をして怒鳴ってきた。

「お前…チョコじゃねー何かを贈ったんだろ?」

      何でそんなこと覚えてるのよっっ!
なんなの?この間といい、何かにつけ敦賀さんの事を持ち出して!
思い出させないでよっっ こっちは必死に考えないようにしてるのにっっ

「…なっ、何ももらってないわよ!…今日は(まだ)会ってないし…」

起きる前に先に出てきちゃったから…
だって、役をつけてない状態でなんて会いたくなかったんだもの。
例えそれが、それぞれの仕事に向かう為の僅かな着替えの時間であっても…。

「…まぁいい、それはそうと…お前、何で電話に出ねーんだ?」

電話…と言われてまたあの日のことをまた思い出しそうになった。
だけど、考えないように努めて冷静に切り替えした。

「…出てるわよ?不審な電話以外には…」

真顔で答えると、うぐっ…と顔を歪ませたショータロー。

「なっ!不審って…俺以外にも非通知でかけてきてる奴がいただろうっっ…アイツも無視してるってことか?」

まるで言い訳でもするようにショータローがあの人を引き合いに出してくる。

「…もしかして、また、敦賀さんのことを言ってるの?」

「他にいるっていうのかよっっ」

「あんたとは違うんだから、私がそんな失礼なことするわけないでしょーっっ」

無視…できるものなら、とっくにしてるわよっっ!!
今だって逃げ出したくてたまらないんだからっっ 
パスポートも今日申請してきたところよ!

だって、、、ここ数日のカイン兄さんったら…ひどいのよ!
セツへの態度が甘すぎて、それが嬉しくて苦しくて   

今にも崩れ落ちそうな崖の上で気分は片手1本で体を支えてる状態なのよっっ

八つ当たり交じりにショータローに、怒っていると、突然聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「何…してるのかなこんなところで     …最上さん」

その声の主を想像して私は固まってしまった。

ふ、振り向きたくないっっ…敦賀さんの目を見る自信がない。

だけど、キュラキュラとした笑顔で見つめられてる気がするのは…きっと気のせいじゃない。

(ぷすちくっと光の矢を命中させるのはやめて下さいっっ)

恐る恐る振り返ると、爽やかな笑顔で笑う敦賀さんとその隣りで怯えてる社さんが視界に入った。

「楽屋に寄ったら、少し前に帰ったばかりだって聞いたから迎えに来たんだけど、お邪魔だったかな?」

ヒィッ…目が、目が笑ってないぃっ~~ っと違う意味で思わず目を逸らしてしまった。

…ちょっと待って!敦賀さん…私のことを迎えに来たって…今、そういったわよね…

いやぁぁあああ~~~~~~~~~~~っ 

この場に留まってるのもイヤだけど、その後のことを考えるともっとイヤぁあぁああっっ!

敦賀さんと一緒になんて無理無理無理無理~~~っっ。

セツでいなければ、あの人と目を合わせることもできない…
だけど、セツでいると…あの瞳に囚われてしまう。
隠してきた本音を引き摺りだされそうで…逃げ出したくて堪らなかった。

あの場所へ…ホテルへ帰ることさえ足が重くて躊躇っていたんだ。

ホワイトデーのお返しをもらって嬉しかったのはもちろんだけど、
それに浸っていたかったのは…
この現実から逃げ出したくて堪らなかったからだって…気づいてしまった。

         …もうダメだ、これ以上は無理だ。

私は、自ら崖に飛び込むことを選んだ。

…泡になって消える人魚みたいに…
この気持ちが消えてなくなってしまえばいいのに…と願いながら、セツを降りることを決意をした。

*******

目を閉じて…深呼吸をした私はスゥ…と役を憑けて敦賀さんに近づいた。
そして、敦賀さんの目の前でショータローに言った。

「…そんなに怖い顔しなくても約束は守るわよ…?」

そういって敦賀さんの腕を引いた私が歩き出そうとした時、ガシッとショータローに肩を掴まれた。

「待てぇ~~~~~~~~っ おかしいだろう!約束を守る??
だったらなんでソイツと行くんだよ!
言ってることとやってることが違うじゃねーか!!」

すごい剣幕で捲くし立てるショータローに、淡々とした口調でナツが答える。

「…そぉかしら、でも、仮にそうだとしても…それは、アタシの自由でしょ?
その結果どうなろうと…貴方は痛くもかゆくもないんだから、
…関係ないでしょう?」

上目遣いに覗き込んで、ショータローの手を払う。

「関係ない…?」

振り払われた腕を下ろしたまま呆然とした様子で呟くショータローに告げた。

「…そうよ、アタシが誰を好きになろうが、アンタには…ね」

そう言ってその場を立ち去ると私は敦賀さんの車の後部座席に座った。

私はずっとナツを憑けたまま…窓の外を眺めていた。
見るともなしに見上げる空は曇っていて…そんな私に敦賀さんも何も言わなかった。
二人の様子を心配そうにみつめる社さんを事務所で降ろして、車はホテルへと向かったはずだった。

だけど、着いたホテルはいつものホテルじゃなかった。

「降りて…」

彼に手を引かれやってきたホテルには…看板もなく、ロビーには私たち以外の客は見当たらなかった。

ここはどこなんだろう?
窓から見えるのは一面の闇、見たことのない風景に今更ながら私は困惑していた。

きょろきょろと辺りを見回している間に、受付を済ませた敦賀さんがキーを手に戻ってきた。

ホテルを変更した…?それにしては山奥よね…?
あ、もしかしてロケ…かしら? 
撮影クルーとは別のホテルを取ったとか…
なんて、どっちにしてももう私には関係ないわね。

       私はもう、セツにはならない…んだから。

どうやって切り出そうかと…
考えあぐねながら、敦賀さんの後ろをついて行った。

バタン      

ドアが閉まる音と共に敦賀さんが振り向いて私を抱きしめてきた。
そして、鋭い眼差しですべてを見透かしたように私をみつめ、訊いてきた。

「なんでナツになった…どうしてナツのままでいる…?」

その言葉に私はナツのまま、応えた。

「なんで      ?…アタシも知りたいわ、なんでこんなところに連れてきたのか…」

→ 後編に続く
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コメント

ヤ〜バ〜イw

一度読んだ筈なのに、1話再読で「今直ぐ続き読みたい熱」が!v-15

我慢、我慢w


Re: ヤ〜バ〜イw

楽しんでもらえて何よりです♪ 3夜連続UP…今夜が最終日です。

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