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※ このシリーズには蓮×キョ以外のXXXなシーンがあります。蓮×キョ以外は受け付けないの~~という方はここでリターンすることをお勧めします。(みー)

Twin soul  ~君と出逢った奇跡~

【文章】みー


「本当に…ついてくるんですか?」

マンションの地下駐車場…来客用スペースに停めた車の中でそう訊いた。
彼はエンジンを止め、フゥーっと長い溜息を吐いて…私に云った。


「…当たり前じゃないか、そういう約束だっただろう?」

けじめをつけたいからと…指輪を返した時に出された条件は同棲とこれだった。

『二人きりで会うのは反対…だから、俺も同席する』

そこだけは譲れないと、厳しい目で見つめてきた彼に逆らうことなんてできなかった。

「…ん?何か問題あるのかな?」

きゅらきゅらと刺さる光の矢…
彼の笑顔の後ろに見えたのは、恐ろしい形相の魔王が映る真っ黒なオーラだった。

(…この2年でそっちまでレベルアップさせちゃったんですか?!)

ここで、何度も行ってるから心配しなくても平気…なんて言葉を云おうものならば、
間違いなくあの魔王が光臨するっっ!!
数段レベルアップしただろう魔王の存在感に身の危険を察知した私は…

「イエ、まったくもってゴザイマセンっっ」

引き攣りながらも女優魂を集結させて、にこやかな笑顔で承諾してみせた。


              それに…

もしまたショータローに泣かれたりしたら…
二人きりだったら流されてしまうかもしれないって…そんな不安もあったから…。

あの夜以降、ショータローを避けていた私に、アイツは変わらない態度で話しかけてきた。

「なぁ、久しぶりに京料理が食いたんだけど、作ってくれないか?」

京料理…といわれて、女将さんたちの顔が浮かんだ。
未だ絶縁状態のショータローにとって、それは懐かしい故郷の味。
家に行くことに戸惑いがなかったわけじゃないけど…

「仕方ないわね…だけど、大将の味には敵わないわよ?
それと…アンタはいつまで親不孝してるつもりなの…?
いつまでも意地張ってないで、会いに行けばいいじゃない…」

ショータローは音楽業界で不動の地位を築いていた。
夢物語と反対されたのは…旅館を継がせたかったからだけじゃない。
ショータローは私とは違う…
大将と女将さんは…ショータローの事を愛してた。
子どもの活躍を喜ばない親じゃない…だから、きっと…ショータローが帰ってくるのを待ってる。

         あの人とは違うんだから…。

そう思ったら、気分が沈んできた。そんな私を見て、複雑な表情を浮かべたショータローが、頭を掻きながら云った。

「うるせーな、そのうちに会いに行くよ…」

それから、たまに呼び出されては…ご飯を一緒に食べるようになった。
あれから、『そういう雰囲気』になったことはなかった。
だから、私たちは、幼馴染に戻れたんだって思ってた。

だけど、それは私がそう思いたかっただけで、
気づかないふりをして私は…ショータローにそれを強いてきたんだ。

ピンポーン…

モニターにキョーコの顔が映った。俺はロックを解除すると玄関へと向かった。
マンションの最上階…ここにはキョーコしか呼んだことがない。

都内に数箇所マンションやスタジオを持つようになった俺が、
アイツと会うためだけに用意した特別な部屋。

ポケットの中には…あの日、間に合わなかった指輪が入ってる。

京都に…親父たちに会うときには、キョーコも連れて行きたいって思ってた。
旅館を継ぐことは出来ねーかもしれねーから、親不孝に変わりはないだろうけど。

親父とお袋は…俺たちの結婚を望んでた。

だけど、俺はキョーコの人生を束縛するつもりはない…女優を続けたいなら続ければいい。
ただそんなキョーコのそばにいられたら…あいつの最後の男になれれば、それでよかった。

     それも、キョーコが俺を選んでくれたら…の話だけどな。

ピンポーンとインターフォンがまた鳴った。
玄関前にやってきたあいつを出迎えるように静かにドアを開けた。

「あがれよ…」

そう云って招き入れるようにドアを大きく開けると…キョーコの後ろにアイツが見えた。
その瞬間、俺は自分の想いが届かなかったことを知ったんだ。

やっぱり、お前はソイツを選ぶのか        …

「フゥ…俺はキョーコだけを呼んだつもりだったんだけどな、まぁ、入れよ」

そういうと…俺はポケットの中の指環をぎゅっと握り締めてリビングへと案内した。
向かい合わせに座った俺は、アイツと俺をみて困った顔をしてるキョーコに云った。

「よりを戻したんだな…」

「ごめん…ショータロー…私っ」

顔を歪ませて、辛そうな表情を浮かべるキョーコに…
俺は仕方ねーなって顔を浮かべて、苦笑しながら云った。

「謝るなよっ…俺は、お前の嘘に付き合ってやっただけなんだから…」

「……」

そういった俺をジーッと見てやがる男に、視線を向けながらキョーコに云った。

「だけど、本当にコイツでいいのか?
あんな嘘に騙されてアメリカに行っちまうような男で…」

「…違うの…」

キョーコは俯いたまま…そういった。

「違うって何が違うんだよっ?」

「敦賀さんは…わかってたの…」

わかってた?わかってて…騙されたふりをしてたって云うのか?

「なっ…それじゃ、なんで別れたんだよ??」

思わず声が大きくなってしまった。
そんな俺をまっすぐにみつめてきたキョーコが静かに口を開く…。

「…私がそれを望んでいたから       …」

「はぁ?キョーコが…って…」

「怖かったのよっ…幸せだと思えば思うほど…それをなくすのが…
なくすかもしれない日が来るのが怖くてたまらなかったのっっ」

そう云ったキョーコに…俺は言葉を失った。

アイツが、キョーコを手放すわけないって…
知ってる人間なら誰も疑ったりしないほど、溺愛されてたくせに…
それでも不安になるほど…キョーコの傷は深かったってことなのか…?

そしてそれはきっと…俺とあの母親がつけた傷跡。

だから、アイツは…あえて離れて、その愛が変わらないことを証明してみせたのか…?

あの嫉妬深い男が…連絡も取らずに2年…
そして、その2年をかけても、キョーコの心を手に入れられなかった俺。

「…ムカつくけど、完敗じゃねーかよ…」

そう呟くと…一瞬、アイツの視線が揺れた。
キョーコの事だ…バカ正直にあの夜の事も話したに違いない…。
だから、あえて言ってやった。

「…俺に奪われるとは思わなかったのかよ?」

「そうだな…
キョーコの心を動かすことが出来るとしたら…お前だけだろうって思ってた」

そういったアイツの言葉は俺の心を少しだけ浮上させた。
だけど、同時に…余裕でキョーコを取り戻したアイツに…苛立ちを感じた。

「嫌味だな…ったくよ、俺はアンタのそのすかした顔が大っ嫌いなんだよ…」

いつまでたっても、抜くことが出来ないその存在が…
キョーコに愛されてるお前が…羨ましかった。

「悪いな…生まれつきだ」

玄関先で、二人を見送りながら…
俺は…ずっと訊きたくて、だけど、言い出せなかった言葉を口にした。
きっと、これが最後だろうから…。

「もし…もし、俺がお前を捨てたりしなかったら…お前は俺を…」

俺がキョーコを捨てなかったら…
あんなに傷つけるような別れじゃなかったら…キョーコは俺を選んでた?
そう、俺が捨てなければ、お前が敦賀蓮に出逢うことだってきっとなかった。

俺はそんな後悔に、ずっと苛まされてきたんだ。

「もし、ショータローに…尚ちゃんに捨てられなかったとしても、私はこの人を選んでたと思う。
彼とはずっと昔に…出逢ってたの」

「え…?」

「芸能界で再会したのは、きっとそういう運命だったんだからだって…今は思うの。
尚ちゃんは…私のたからもの石を覚えてる?」

たからもの     って云われて思い出したのは遠い夏の日のこと。

妖精に会ったってはしゃぐキョーコが、太陽にかざしてた不思議な石…

そんな石のどこがいいんだよって…バカにしたけど…
思えばアレは、俺の初めての妬きもちだったのかもしれない。

「あの石をくれたのが…彼だったの」

懐かしそうに目を細めて穏かな笑顔を浮かべるキョーコをみて…
…運命なんて信じちゃいなかったが、本当にあるのかもしれないって思った。

やっぱり、俺の相手は…お前じゃなかった…ってことなんだよな。

痛む胸を抱えながらも、幸せそうなキョーコの笑顔を見て…思った。

これでやっと、お前を諦められそうだ…。

→ 10話へ続く

2012.2.10アイミル掲載作品
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