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☆Novel contents☆ 

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このお話は、sunnyさん主催の素敵企画に参加した作品です。
『ホテル』をテーマとしたお話で、続き妄想要素も含みます。

(2013.2.16 投稿作品)

ネタバレNGな方は華麗にスルーしてくださいませ~。

いつもと違う場所 後編

「何…してるのかなこんなところで     …最上さん」

不破と一緒にいる彼女を見て、フラッシュバックする記憶。

胸を締め付けるそんな光景も、どうにか耐えられるのはシルシのおかげだ。

薄くなってしまったシルシ…たとえ、消えてしまったとしても、心に刻まれた彼女の…
しぐさや言葉…ぬくもりを辿れば、あの日のように自分を見失うことはもうない。

「楽屋に寄ったら、少し前に帰ったばかりだって聞いたから迎えに来たんだけど、お邪魔だったかな?」

苛立ちを隠し切れない俺に怯え、目を逸らしたのは彼女だった。
だけど、深呼吸をして…俺に近づいてきたのは      

*******

「…そんなに怖い顔しなくても約束は守るわよ…?」

      約束…という言葉に胸がチリッと痛んだ。

だが、次の瞬間に与えられた温もりが痛みを和らげてくれた。
俺の手を引くように腕を絡めてきた彼女がその場を立ち去ろうとした時、アイツがものすごい形相で引き止めてきた。

「待てぇ~~~~~~~~っ おかしいだろう!約束を守る??
だったらなんでソイツと行くんだよ!
言ってることとやってることが違うじゃねーか!!」

熱くなる不破に対して、彼女はクールに言い放つ…。

「…そぉかしら、でも、仮にそうだとしても…それは、アタシの自由でしょ?
その結果どうなろうと…貴方は痛くもかゆくもないんだから、
…関係ないでしょう?」

そこにいたのは、彼女でもセツでもない…ナツだった      

ナツを憑けた彼女は、上目遣いにアイツを覗き込んでその手を払った。

「関係ない…?」

「…そうよ、アタシが誰を好きになろうが、アンタには…ね」

呆然と立ち尽くす不破を残して、俺たちはその場を後にした。
後部座席に座ったナツは、何も言わず窓の外をずっと眺めている。

彼女がナツのままでいることに不満を覚えながら、どうして今、ナツなのか、その理由をずっと考えていた。

辿りついた答え…
それは、始まり…それとも終わりを意味するのか。

『アンタだけは無いらしいぜ 間違っても アンタに惚れる様なバカな真似だけはしないってさ』

不破と交わした約束…それが彼女がナツでいる理由なんだと確信した。

彼女は不破とどうにかなりたいなんて思ってはいない…
それだけははっきりとわかったから、…俺がすべきことはひとつ。

      そう決意してから、どれくらい車を走らせただろう。

想いを告げる覚悟を決めたはずなのに、拒絶されるのが怖くて…
こんなにも不甲斐ない自分は生まれて初めてだった。

やっと見つけた一縷の光…彼女を失えばまた闇の中…それが怖くて堪らなかった。

なのに、彼女を自分のものにしてしまいたくて堪らない自分もいる。

不安と期待が入り混じる…出口のない闇を彷徨うように、暗闇をひた走る車。

そんな暗闇の先に仄かに灯る暖かな光を放つホテルをみつけた。

車を止めた俺は、彼女の手を引いてそのホテルの中へと足を踏み入れた。
ぼんやりとした目で外を眺めていた彼女は、風景の変化にも気づいていなかったようだ。
今さらながらに状況を理解しようと必死に辺りを見回している彼女。
そんな彼女をロビーに置いて、手続きを済ませた俺は部屋へと向かった。

何もわからないまま後をついてくる…無防備な彼女は俺を信頼しきっている。

顔見知りが100%安心できるなんて思わない事だ…と教えたばかりなのに。

彼女が何の警戒心も持たないのは、俺を男だと意識していない証拠かもしれない。
だけど、だったら…彼女はなんでナツになった?

考えてもその先の答えなんかわからない…
わかっているのは、俺たちの間にあるものを壊さなければ…
先には進めないということだけだ      

だから、俺はここに来たんだと、自分を奮い立たせドアノブに手をかけた。

そして、負けることの許されない…彼女を手に入れるための勝負に俺は出た。

*******

…二人きりの部屋、扉の閉まる音ともに彼女を抱きしめた。

「なんでナツになった…どうしてナツのままでいる…?」

俺の問いかけに、ナツは…質問で切り返してきた。

「なんで      ?…アタシも知りたいわ、なんでこんなところに連れてきたのか…」

理由なんてひとつしかない…だけど、すぐには教えられない。

「なんで…だと思う?」

…腕の中の彼女を抱きしめながら、耳元でそう囁いた。

ナツはきっと、彼女を守る仮面…
俺が『敦賀蓮』を演じることで、自分を守ってきたように…
だから、ナツを剥がしてからじゃなきゃ…彼女にはきっと届かない。

「…わからないから訊いてるんじゃない…」

そういって彼女は俺の腕から逃げようとした。
俺を拒絶するその腕が…震えていた。
強気な態度とその視線はナツなのに…
逃がさないとばかりに掴んだ腕を引き寄せて…手の甲にキスを落とした。

「…怖い?」

そう訊きながら、その手に指を絡めて滑らせた。
だけど、彼女は簡単には落ちてくれない…剥がれかけた役をすぐに立て直してきた。

「…クスッ…なぁんだ、そういうこと?」

そういって俺の手をすり抜けていった彼女は妖しく微笑み、ベッドの上に座った。
そして、男を誘うようにゆっくりと、これみよがしに足を交差させ、俺の反応を愉しんでる。

ナツは挑戦的でかなりたちの悪い…小悪魔のようだ。

そんなナツを演じる彼女もまた、俺が本気で手を出すはずがないと…思ってやっている。

今の関係を壊すこと…それは彼女の信頼を裏切ればいいだけだ。

戻れない『今』に執着することはない。もう後には引けないのだから、先に進むしかない。

…あの日だって、俺が踏みとどまれたのはあの場所だったからだ。
あの娘がセツであり続けたから、俺はカインでいられた。

今の俺は…カインじゃない。

そんな俺を挑発することが、どんなに危険か…この娘は何もわかってない。
そう、何もわかってないんだ…。

「俺が抱きたいのはナツじゃない…」

そういって彼女に近づいた俺は、固まったままの彼女を押し倒した。
目を見開いて俺を見上げる…彼女に告げる。

「好きなんだ…最上さんのことが」

驚いた顔をして信じられないと首を振り、逃げ出そうと彼女が必死に抵抗する。
だけど俺は彼女を拘束する腕に力をこめて…

「好きだ、好きだ…誰にも渡したくない…初めてなんだ…こんな気持ち」

ぎゅっと強く抱きしめて言った。

「イヤ…聞きたくないっ…離してっっ」

震える彼女の身体…俺を拒絶する言葉とは裏腹に抵抗する力は弱くなっていく。

「ごめん…だけど、…離してあげられない。…離したら、君は俺から逃げるだろう?」

「…っ」

「お願いだ…君が必要なんだ」

「そんなっ…敦賀さんなら大丈夫ですっ…私なんかいなくても…」

「…君がいなきゃ、俺は今も闇の中だった」

俺には…君を救うことなんてできない…のか?

愛されることも…愛することも諦めてしまった君を…
俺は君を愛してる…いや、俺が…
君に愛されたいんだ      

だから…逃げずに聞いて欲しい。

「…君に知って欲しいんだ…本当の俺を」

「本当の…敦賀さん?」

敦賀さん…って呼ばれて苦笑いを零した俺をみて、彼女が何かに気づいたように口を閉ざす。

「…君が本当の俺を…解放してくれたんだ」

何も訊かずにいてくれた君に、全部話すから…だから、俺を受け入れて。

祈るように君に触れる…俺と君の関係が変る…ターニングポイント。

二人の新しい関係はここから始まる      


→ 地下室編へ続く
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