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☆Novel contents☆ 


Bloody Rose ~ 君の素顔 ~  中編

(それまでの話)前編

(SIDE キョーコ)

最上階へと上っていくエレベーターの中、彼は私の手を握ったまま何も言わない。

(どうしよう…絶対、みんなにバレた…よね?)

それに、敦賀さん…すごく怒ってる。私のせいで、敦賀さんに迷惑をかけてしまった。

なんで私…あんなことっっ もぉ~っ…キョーコのバカバカバカ~~っ!!

今までずっと、彼にも秘密にしてきたのに…どうして我慢できなかったのよ。


コノヒトハ ワタシノモノ…
        ワタシノカレニ…サワラナイデ!

心の奥に押し込んで隠してきた感情…ずっと気付かない振りをしてきたのに。

クルシイ…ツライ…カナシイ…ニクイ…

恋をすることは楽しいことだけじゃない…

嫉妬や焦り、不安…今回の役はそんな感情に縛られるシーンがすごく多かった。

届かない想い、裏切られたことへの悲しみと憎しみ…

        どんなに忘れたくても、忘れられない 愛しい兄 久哉への…許されない想いは、その行き場を求めて…
肉体から離れ魂だけの姿になって求めてしまうほど…強く激しい恋情だった。

だけど、実際に彼と唇を重ね、肌を合わせて演じるのは別の女優。

それが…つらかった。

彼の演技は相手を本気にさせるから、カットの声がかかっても…その熱が醒めることはない。

もう何度目なんだろう…
目の前で彼を誘う女性たちに関心のない振りをするのは      …。

彼は芸能界一いい男という称号を手にしているどんな女性をも魅了してしまう人で、
私に『役者のための心の法則』を教えてくれた尊敬すべき先輩…。

私も彼のように、一流と呼ばれるようになりたい…だから、こんな気持ちに振り回されていちゃダメだ。

私は平気…私は平気。
あれは演技で、本気なんかじゃない。

彼はいつも私に優しく愛を囁いてくれる…じゃない。
不安になることなんかない…。

そう自分に言い聞かせて、やり過ごしてきた。

彼の腕の中にいる私は無敵で…怖いものなんて何もない。

なのに、いつからだろう…
彼の温もりが消えてしまうと、寂しくてたまらなくなる自分に気づいた。

一人でいる時間がすごく長く感じて…会いたいのに…もっとそばにいたいのに甘えられない。

自分から会いたいとは言えない…忙しい彼に迷惑をかけたくない。

だから、公然と彼と過ごせる…久しぶりの共演がすごく楽しみだった。

でも、演じているうちにわからなくなってしまった。

この気持ちが永遠の感情なのか、自分の感情なのか…。

泣きたくなるような気持ちを堪えて、私は永遠と女優京子を演じていたような気がする。

少しは誇れる自分に近づけたと思ってたのに…こんなんじゃ演技者としてはまだまだね。

やっぱり、私には足りないんだ…だから彼のようになれないんだ。

それが…『 経験値 』 

彼の周りにはいつも素敵な人が溢れていて…
でも、彼はそんな素敵な人からの誘いにもまったく動じない。

相手に失礼のないようにうまくかわして、いつも余裕でいる。

どうして、平気でいられるんだろう?

女の私でさえ見惚れてしまうような素敵な人ばかりなのに…

その答えはひとつ…彼は慣れてるからだ。

女性の扱いも、綺麗な人に言い寄られることも日常茶飯事だから…
それだけの経験が彼にはある。

本気で好きになったのは私が初めてだって…彼が言ってくれた言葉は嘘じゃないって信じてるけど、
裏を返せば、本気じゃない恋愛ならたくさんしてきたってことよね?

相手はあの敦賀さんなんだから…それは当然の事なんだろうけど、それが切ない。

ドラマの撮影や彼の過去のこととか…
とにかく一人でいるとマイナス思考に囚われて、落ち込んでしまいそうだった。

その日は、山上くんたちと共演してるバラエティの収録があった。
2本撮りした後は、珍しくオフだという彼らが、みんなを誘って食事に行こうと話をしてた。
いつもは断るんだけど、一人でいたくなかった私は…珍しく返事に迷っていた。

そんな時…山上くんが言った。

「ねぇ、京子ちゃんってさ、料理めちゃくちゃうまいんだって?! こないださ、京子ちゃんと共演した事がある奴に、ドラマの時の差し入れがすごく旨かったんだぜ~って自慢されちゃってさ。…俺も食べてみたいんだけど?」

「あーーっ、おいっっ山上~それ抜け駆け~~!!俺も俺も食べたい~~っっ」

「え~~っ…みんなしてズルイィ~っキョコちゃんの絶品料理~私も食べたいんですけどぉ~!」

共演者の…ノリのいい仲間たちが口々にそう云った。

「…じゃあ、皆さんでうちに来ます?狭いですけど…いいですか?」

「「 「やった~~~っっ」 」」


彼以外の男性が部屋に入るのは初めてだった。( もちろん、女の子もいたけど。)

この家に住み始めて半年、お世話になっただるまやを出て一人での暮らしにも慣れてきたところ。

本当は、だるまやを出るとき…敦賀さんに一緒に住もうって、何度も誘われた。

だけど、そうすることでスキャンダルにでもなったら困る…敦賀さんの迷惑になりたくないからって断った。

       …でも、本当の理由は別にあった。

私は自信がなかったの…彼に愛され続ける自信が…。

だから、のめり込み過ぎないように…傷が浅くすむように、…彼との距離を保っていたかった。

でも、それでよかったんだって…思ってる。

だって一緒に居たら、きっと気づかれてしまう 嫉妬に駆られる醜い自分を。

みんなと過ごした時間は、スゴク楽しかった。

食事を済ませた後も、いろんな話で盛り上がって…気がつけば、時刻は深夜を回っていた。

そんな時、彼からの電話が入った。私はそっと抜け出してベランダへと出た。

「…ずいぶん賑やかだね…誰か来てるの?」

穏やかな声で彼が訊いてきた。私は楽しそうな声で彼に伝える。

「ハイ…共演してる友達と鍋パーティしてたんです」

「…友達?…そっか、近くまで来てたんだけど…今日は会うの無理かな…」

少し残念そうに彼が言った。

「ごめんなさい…まだ、みんな盛り上がってて…」

本当は会いたい…でも会ったら、この気持ちを気づかれてしまう気がした。

「…みたいだね。楽しそうな笑い声が聞こえる」

「また…電話しますね?」

「うん…おやすみ」

「おやすみなさい・・・」

携帯を閉じて…溜息を一つ吐いた私が部屋に戻ろうと振り返った時、山上君と目があった。

     聞かれた?
でも、相手が誰かはわからないはず…と、動揺を隠して呟いた。


「やだっ…私ったら、窓閉めなかったんだ…」

「あー…空気の入れ替えをしようと思って俺があけたんだ。それより…今の電話って…彼氏?」

「えっ///」

思わず、彼氏…という言葉の響きに反射的に顔が赤く染まってしまった。

「…そっか…いたんだ、彼氏」

残念そうに呟く山上くんに慌てて訂正する。

「えっ…って そんなっ…私に彼氏なんかいるわけ…っ」

「いいよ、隠さなくったって…事務所に内緒とか、仲間内でもよくあることだしね」

そういってにこっとウインクする彼に、ほっと胸を撫で下ろした私は…

「…あの、内緒にしてくれますか?」

そうお願いすると、彼はもちろんってジェスチャーをしながら、隣りに立った。

「だけどさ、彼氏と話してたわりにテンション低くね?」

そう切り替えされて、返事に困ってしまった。

「…そんなことな…」

「それにさ、彼氏と話すのも敬語なんだ?彼氏は年上?」

「いえ、年齢自体は山上くんと同じ位…って、何言わせるんですか、もぉ~」

つい乗せられて、うっかり答えちゃったじゃない!!

「クスッ…京子ちゃん、嘘つけないタイプでしょ?演技はあんなに上手なのにね?」

「もぉ~からかわないでくださいっっ」

「けどさ…悩みがあるんなら相談に乗るよ?こうみえて俺、結構口は堅いしね」

「そんな…悩みなんて…」


*******


「で、結局…彼に相談したってわけだ…?」

俺じゃなくて…他の男に相談したことがすごくショックだった。

なんで、俺に遠慮する?!俺をもっと頼って欲しい…
もっと我儘になって、その心を…君の素顔を見せてほしいって思ってる俺がいるのに!

「う…ハイ…」

俯いて、目を逸らす彼女…その態度が何だか怪しい。
相談以外にも何かあったんじゃ…
疑いの眼差しを濃くして、問い詰める。

「それで…何を相談したの?」

「……」

だんまりを決め込む彼女…
云わないつもりか…?それとも云えない何かがあった?

じーっと見下ろす無言の圧力に、俺の顔色を窺いながら、彼女がポツリポツリと語りだした。

「経験値…の違いは仕方ないよって…
モテるのも、あしらい方がうまいのも…経験が豊富だからじゃないかなって…
だから    …」


「…だから?」

「京子ちゃんも経験を積めば同じように自信が持てるようになるよって…」

経験を積めば…って…それって…

「まさか…とは思うけど…」

「はい…?」

「彼に、俺と経験値あげてみる?とかって…」

云い終わるよりも早く、慌てた彼女が弁解を始めた。

「なっ…!!そんなことっあ…あれは冗談で…っっ、きっと私をからかってただけですよ」

「?!」

やっぱり!!…俺の知らないところで、めちゃくちゃ口説かれてるじゃないか!!

「はぁ~~~・・・」

盛大なため息を吐いた俺は彼女を腕に抱きしめて言った。

「お願いだから…これ以上俺を不安にさせないで」

すると、彼女はきょとんとした顔で訊き返してきた。

「どうして…敦賀さんが不安になるんですか?」

どうして…?君が危なっかしいからに決まってるじゃないか!

何度言ったら…自覚してくれるんだろう…君がすごく無防備だってこと。

俺がどんな気持ちでいるか…君は全然わかってない。

さっきだって…君に、もぉいいって…云われてどれだけ焦ったか。

俺以外の男と仲良くしてる話なんて、本当は聞きたくない。

どう考えても彼は…君を自分のものしようとしようとしてるじゃないか!

きっかけは浮気でも俺が本気にさせてみせるよ…って…そんな彼の本音が聞こえてくるようだ。


「不安だよ…すごく…ね。君は妬いてもくれないし、
俺ばっかりが君を好きみたいで…苦しい。
好き過ぎて…おかしくなりそうだ。
自信がなくて…誰かに君を獲られるんじゃないかって心配で仕方ないんだ…」


「ずっと不安だったのは私のほうです。それに…私は敦賀さんしか知らないから…」

「…それは俺だけじゃ不満ってこと?」

「ちがっ…そうじゃなくて…」

「だって…そういうことだろう?今から経験値をあげるってことは…浮気をするか、俺と別れて他の男と付き合うってことじゃないか!!」

「私はそんなつもりじゃ…」

「許さないよ・・・?」

「え…?」

「俺は絶対、君を離したりしないし、俺以外の男なんて認めない」

「そうじゃなくて…敦賀さんがモテるのは当然なんです!
小さな顔に長い睫…切れ長な瞳…蕩けるような甘い笑顔に耳を侵すテノール…均整の取れたパーツに長い手足、逞しい身体…完璧な外見に…仕事にはストイックで、紳士で思慮深くて大人で…
だから、だから…いちいちやきもちなんて妬いてたら身が持たない…
それに惹かれずにはいられない気持ちは、私にもよくわかりますから…」


「……」

「本当、なんて罪作りな人なんだろうっていつも思って…」

「罪作りなのは君も同じだと思うけど…?」

まったく自覚してないんだから、本当に手に負えない…

「えっ?何か云いました?」

「いや、それじゃ…聞くけど、今回のドラマで君は…本当は妬いてくれてた?」

「えっ///」

「だから…あの日、彼らを呼んだんじゃないのか?」

「…なっ」

「あの日俺より彼らを優先したのは…嫉妬する自分を見せたくなかったから?」

あの日は、永遠が憑依した女性とのベッドシーンを相手を変えて何度も撮影した日だった。

俺にとっても…久哉にとってもそれは意味のない行為。

なんだかすごく空しい気持ちになって、気がついたら彼女のマンションの下にいた。

君に会いたくて…本当の君に逢いたくて…
君が永遠のように消えてしまわないように、その温もりを確かめたくてきたのに…

背後から聞こえてきた楽しい声に、俺だけが君を求めてるみたいで切なくなった。

「やっぱり…敦賀さんに隠し事なんてできないんですよね…」

「隠さないで?俺には全部見せて…遠慮される方が傷つくから。
俺じゃ、君を満たしてあげられないみたいで切なくなるよ…
だから…もっと本当の君を見せてほしい」


「でも…」

「いつまで経っても埋まらない距離があるな…って思ってた。
二人きりの時でも君は変わらない…君は甘えるのがヘタだからね…
今までずっと頑張って張り詰めてきたものが壊れてしまいそうな気がして怖いんだろう?
…ムリに近づけば君は逃げてしまうって…そう思ったから
自然と…甘えてくれるようになるまで待つつもりだったけど…
もう待たない…待てない…
他の男の事なんて考える隙もないほど全力で愛して暴いてあげる」


そういって口づけた。
君の唇に滑り込ませた舌で、まずは君を淫らに解放してあげる。

遠慮なんてしない…俺なしじゃいられないように 君を変えてみせるから。

→ 後編へ続く
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