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☆Novel contents☆ 

(それまでの話)前編 

Aphrodītē ~ すべてを君に~ 後編

幻想的な古代ギリシャを背景に女神アフロディーテに魅了される男と、顔は出ないが、現代のシーンで彼女の意中の男の二役を演じることになっていた。

現代版では、化粧室でアフロディーテの香水をつけた彼女が、待ち合わせの男性と合流するシーンを3台のカメラを使っていろんな角度から撮影する。

彼女が歩く度に香るその甘い香りに、店中の男たちの視線が彼女を追いかけ始める…

商品のアップと重なるラストシーンは、俺の腕の中で…微笑むしたり顔の彼女。

もっと愛されたいあなたへ…贈る 最高の媚薬的香水 『Aphrodītē』

         もっと愛されたい…か、これが男性用の香水だったなら良かったのにな。

彼女が欲しくて堪らないくせに…
その存在を失うかもしれないことが怖くて、俺はまだ…彼女を手に入れられずにいた。

彼女の気持ちを探るように…思わせぶりな言葉を囁いてみたところで、
期待通りの答えなんて返ってきた試しがない。

あの子はまだ…アイツに囚われたまま、目の前にある恋にさえ気づいてくれない。

        どうしたら、彼女は俺を見てくれる?

そんな時、このCMのオファーが来たんだ。

最初は共演出来ることが単純に嬉しかった。
あの娘の相手役としてそばにいられること…そんなささやかな幸せで満たされていた。

だけど、アフロディーテという女神の役を憑けてスタジオに入ってきた彼女を見て…
俺はショックを隠せなかった。

( 君はどこまで…綺麗になるつもりなんだ? )

俺だけじゃなく、スタジオ内にいる男性スタッフの視線を釘づけにして…
ただそこにいるだけで…瞳を奪うその美貌。

女神に相応しい白いそのドレスは、大きくスリットが入っていて…
歩く度にその白くしなやかな脚線美が見え隠れして、それを見る男をドキマギさせていた。

そんな姿に見惚れながらも、チリチリと焼け付くような嫉妬が俺を襲った。

「よろしくお願いします…」

綺麗なお辞儀でスタッフに挨拶を交わすと彼女は指示された位置へと移動した。

そこは湖の畔…光が燦燦と降り注ぐその小高い神殿の角に腰を下ろし、湖をみつめる彼女。

実際にはCG処理されるグリーンの背景だけが広がるスタジオなのに、彼女がいるだけで…
そこは古代ギリシャの神殿と雄大な自然が広がる…神の世界になった。

俺は…どうしたらいい?

これ以上…抑えられないっていう程、君に焦がれてるというのに…

演技者として君の才能を楽しみにしてるのも嘘じゃないのに…

君の活躍を素直に喜べない…。

これ以上綺麗にならないで欲しい…他の男にその姿を見せたくない。

独り占めしたい…君を、俺だけのものにしたいんだ       

想いを告げたわけでもないのに、独占欲が俺を支配していく。

撮影開始の合図を聞いて、俺は彼女へと近づいていった。

戦いの神でもある彼女は気高く凛とした強い瞳で空と湖との間をみつめてる。

その瞳の先には…何が映っているのか…君の隣に立って同じ物を見てみたい。

階段を一段ずつ上り、彼女に近づくにつれ…鼻腔をくすぐるその甘い香りに魅せられた。

そして…俺の存在に気づいた彼女が、一瞬だけ誘うような瞳で俺を見下ろした。

( なんて…表情(かお)で見るんだ )

うっそりと目を細め…艶やかに笑う。その色香漂う大人びた表情は…いつ覚えた?

         まるであの時みたいに…試されてる気がする。

どうにかできるものなら…したいよ?

この関係を変えたい…もっと近づこうとした俺に、彼女はその足を差し出した。

見上げれば、彼女は…高圧的な笑みを浮かべ、その表情だけで命令したんだ。

           キスをしなさい…って。

女神に許されたのは…そこまで。

誘うような瞳でその美貌で…心を奪っておいて…だけど、これ以上近づくことは許さない。

彼女は視線だけで会話する。

           それでもいいのなら、ひざまづいて私に愛を請いなさい。

だから俺は…足を引き、跪いて…愛しい彼女の足の甲にキスを落した。

恍惚とした表情でそれをみつめる…君に少しでも近づきたくて          

『カットーーッッ』 その声に君が我に返る…さっきまでの色香も吹き飛ぶような声で

「うにゃぁ~~っっ /// 」

足を引っ込めて顔を真っ赤にさせて…あの体勢に入ろうとした。

「す、すみません~~~~っっ 役に入っていたとはいえ…
つ、敦賀さんにあんなマネさせるつもりはっっ…っ」

土下座しようとする彼女を制して俺はまっすぐにみつめて訊いた。

「どうして?…キスしろって…意味じゃなかった?」

「そ、それはその…」

もじもじと言葉に詰まる彼女…

俺は振り返って、ニマニマした顔で見てる監督からOKのサインを確認した。

「だったら、問題ないだろう?監督もOK出してるし…ね?」

そして…着替えを済ませた俺たちは、そのままロケバスに乗って、
夜の街の片隅にあるロケ地となるバーで撮影を開始した。

撮影は30分とかからなかった。

だけど、腕の中で微笑む彼女の残り香は…俺を十分に煽ってくれた。

内側に篭っていく熱は、俺の理性を欲望へと傾かせ…社さんと別れた後
彼女を送るはずの車がだるまやへ向かうことはなかった。

こうして彼女を手に入れることが出来た俺は、後日…社長から今回のオファーが
仕組まれたものだということを知る。

あのCMが世間に流れることはない…

きっと忘れた頃…いや近いうちに、俺たちの結婚式をプロデュースする社長から
馴れ初めとして流されることになるのだろう…。

だけどそんなことよりも…俺は大切なものを手に入れたから…

        これから先、彼女の香りが…俺を離すことはないだろう。

~ FIN ~
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