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☆Novel contents☆ 

(それまでのお話)1話 


CASE1  ~ 馬の骨奮闘記 ~ 2話

(SIDE 悠)

卑怯だって言われても、俺はこのまま諦めたくなかったんだ。

*******

彼女と初めて会ったのは、前作のドラマ『バディ』の顔合わせの時だった。

ドラマの主役に抜擢されたのは、話題の女優…京子。
彼女は、DARKMOONの未緒、BOX“R"のナツとヒール役を続けて演じ、業界の間でも話題になっていた。
彼女が演じたナツは、クールビューティな容姿とそのカリスマ性から、多くの女子高生から高い支持を得た。その勢いは、ファッションリーダーとして、ナツという存在が一人歩きするほどの白熱ぶりだった。
当然の如く、マスコミは新人女優である京子に注目し、それまでの出演作品(PV・CM)やダークムーンの打ち上げパーティで披露された大人っぽいビジュアルなどが特集記事に組まれた。

メイク次第でどんな美女にも変身する・・・CG疑惑が持ち上がるほど、彼女のその華麗な変身振りに注目が集まっていた。

だからこそ、彼女がこのドラマに起用されたんだろう。
でも、新人の彼女には少し荷が重すぎる役じゃないかと俺は思った。

彼女が演じるのは…国際刑事警察機構(ICPO)に属する警部 間宮塔子(仮名・年齢不詳)
長官でさえその本当の素性を知らされていないという謎めいた女性の役だった。

近年、日本で増加している国際犯罪の対策要員として派遣されてきた間宮は、女版銭形警部…というよりは、峰 不二子の様な存在で、アクションシーンは元より、様々な国の言語に精通している人物として高い語学力と華道茶道と言った高いレベルの作法も要求された。

      だけど、彼女はそんな苦労をものともせず、やり遂げたんだ。

ドラマは、毎回、豪華キャストを容疑者に1話完結スタイルで進行していく。
だが、それらすべての事件の背後には、ある共通の組織が存在していた。
間宮は警察庁内においても、表と裏の顔を使い分け、内閣府に設置された国際組織犯罪・テロ対策本部の監視下の元、依頼された案件の調査及び容疑者の確保を目的とした捜査に携わり、事件を解決に導いていく…。

回を追うごとに視聴率を伸ばしていった要因は、ストーリーは元より、毎回披露される彼女の変身ぶりが注目を集めたからだった。そして、ドラマが終盤を迎える頃には、第2シーズンの放送も決定した。

そんな大活躍の彼女だが、初めて会った時の印象は…

        はっきりいって拍子抜けした。
このコがナツを演じてたなんて、とても信じられなかった。

どこにでもいそうな普通のコ…というのが俺も含め多くの人間の第一印象だったと思う。

だから、現場でメイクをした彼女をみた時は別人にしか思えなかった。

彼女の纏う空気、本物だけが発するオーラのようなものをその彼女からは感じた。

そして、実際に共演してみてビリビリと電気が走ったような感覚・・・体中の血液が沸騰するような興奮が俺を襲った。

彼女とバディを組めるなんて最高だ         って思った。

撮影は、アクションシーンも多くかなりハードなものだった。
監督からのダメ出しもいっぱい喰らったし、思うようにできなくて奥歯を噛むような場面だってあった。

でも、彼女は決して手を抜かなかったし、どんなシーンでも精力的に取り組んでいった。
そんな彼女を俺はいつの間にか目で追うようになっていた。

( …もしかしたら、ギャップにやられたのかもしれない、な… )

可憐なお嬢様、妖艶な夜の蝶、あらゆる女性になりすまし、事件を解決に導いていく間宮。

だけど、素の彼女は礼儀正しく謙虚で…そしてどこか、人とずれてた。

スタッフや他の共演者から好意を寄せられても、まったくソレに気づかない…。
それはある種の才能と言ってもいいくらい、真剣な顔で的外れな答えを弾き出すから可笑しくてツボった。
そんな彼女のくるくると変わるその表情を見ているだけで楽しかった。

俺は女の子に不自由をしたことはないし、そういう目で見ている自覚はなかった。

でも、撮影が終わって…心にぽっかりと穴が空いたような…
気がつけば、彼女の事ばかり思い出してる自分に気付いて…

…なんでだろう…って、俳優仲間でもある先輩に相談したら、思いっきり笑われた。

「…お前、それって、恋だろう?来るもの拒まず去るもの追わず…女に執着なんてしたことのないおぼっちゃんも、ついに本気になったってことじゃないのか?」

父は映画監督、母は歌手・・・芸能一家に生まれた俺は、3年前、俳優として業界デビューした。
本当は、亡くなった父のように制作側の仕事につきたいと頑張ってた…でも、この世界は実績のない…ましてや、親の七光りでスポンサーがつくほど甘くはなかった。
そんな時、知り合いに声をかけられたんだ。
そのビジュアルを生かして、撮る側じゃなく撮られる側の世界を知ってからの方がいいものが作れるんじゃないかって言葉に、俺は俳優の道を選んだ。

…芝居の奥深さ、演じる難しさも知った。
いろんな女の子と付き合ってたのも、すべて…映画の為。
彼女達の求めるものを知ることは、俺にとって大きな糧となる。
演じる側…演出する側、どちらにおいても、経験値がものを言う世界で視野を広げる為に、俺はいろんなものに挑戦してきた。肉体を鍛え、知識を学び、時には世界を旅したり…多くの友人を得て、俺はそうやって自分を作ってきた。

だけど、俺は肝心なものを見落としてきていたらしい…。

先輩の言葉に腹が立ったが、

「~~なっ、そんなことっ…… /// 」

俺が彼女を好き         ?

好きだからこんなに気になるのかって、思ったら…急に頬がカァッと熱くなった。 

          俺は、自覚してしまった。

この厄介で、制御不能な気持ちの正体が…最も必要とされるんだって。

彼女に嵌っている…自分。

それまでの自分の恋愛の演技がいかに薄っぺらいものだったのか…思い知らされた気がした。


*******

1クールの短い準備期間を経て、ドラマは新たな展開を迎え再スタートした。

アメリカに旅立った間宮が、日本にまた舞い戻る       …。

前作で壊滅に追い込んだはずの組織から、ある重要人物が姿を消していたことが判明したからだ。
その人物こそが黒幕      … 
そして、その人物は間宮の出生に深く関わる人物だということが明らかになっていく。
衝撃の事実を知り、間宮には迷いが生じる…。
そんな間宮を支え、凶悪犯罪に立ち向かっていく二人。
俺が演じる間宮のバディ、長谷部はそんな彼女を愛するようになる…。

少しだけ恋愛の要素をプラスされた第2シーズンの撮影も中盤を迎えていた。

前作のときは撮影後、みんなで食事に行く事もあったのに、彼女のガードは固くなっていた。
仕事が増え、忙しいのはわかる…彼女が恋愛に疎いのだって織り込み済みだ。

      でも、こう何度も断られるとさすがに凹む。

そんなある日、俺は別の現場で彼女のある噂話を耳にしたんだ。

どうやら、京子は敦賀蓮とつきあってるらしい…って。

同じ事務所だし、仲がいいって話は聞いたことがあったけど、嘘だろって耳を疑った。

( まさか…だから、いつも断ってたのか? )

今までの事もすべて演技…?そう思ったら、なんだか無性に腹が立ってきて、、、
俺は、つい、撮影帰りの彼女に聞いてしまった。

「京子ちゃん…敦賀さんとつき合ってるって本当?」

その時の彼女は慌てて俺の口を塞いで、周囲を確認して言った。
そんなことあるわけないじゃないですかって…もの凄い剣幕で否定したんだ。

噂のことを知らない彼女は、まるで自分と付き合うことが大先輩の経歴に汚点を残すとでもいうような言いっぷりで
根も葉もない話ですときっぱり言い放ち、誰がそんな話をしたのかと怒り心頭で…思わず、聞いた俺の方が謝っていた。

だから、そんなことないんだって…京子ちゃんの言葉を信じた。

…そんな矢先、俺は…見てしまったんだ。

深夜の高級スーパーで仲良さそうに買い物をしている二人の姿を。

母さんの衣裳部屋として都内に点在するマンションの一つ…
そこに置いてるバッグを持ってきてくれって、仕事帰りに頼まれた俺は、朝食用のパンをついでに買って帰ろうとスーパーに立ち寄った。

母さんからの催促の電話を受けていた俺は、視界に入ったいちゃつくカップルに、こんな時間に仲良く買い物かよって…八つ当たり交じりに顔を上げ、言葉を失った。

「…ちょっと悠、聞いてるの??」

そんな母さんの声を無視して電話を切った俺は…黙ったままその光景を写真に撮った。

画面の中で嬉しそうに笑ってる二人…

つきあってないって…言ってたのにあれも嘘          

ブチッと電源をオフにした俺は、
…マンションに消えていく二人を見送ってその場を後にした。

*******

今、俺の目の前には困った顔で事情を説明する京子ちゃんがいる    

( ラブミー部…って何だよ? 
仕事の依頼で食事を作りにいっただけ…深夜に一人暮らしの男の家に?!
しかも、相手はあの敦賀蓮じゃないか…!! )

今まで浮いた噂一つなかった芸能界一モテる男の初めてのスキャンダル…
この写真を見たら、誰だって付き合ってるって思うだろ…?
彼女を愛おしそうにみつめるこの顔が何よりの証拠じゃないか!!

だけど、彼女は頑としてそれを否定し続ける。

( 敦賀蓮に言い寄られて、それを断る女の子なんているのか…? )

「だったら、違うって…彼とは付き合ってないって証拠をみせてくれないかな…」

「証拠って…」

「俺と付き合ってよ…そしたら、この写真も消してあげる…」

「…付き合うってどこに?…買い物ですか?」

「!!」

…とんちんかんな答えが返ってきた…ぞ!

見覚えのあるやり取り…に、自分も参加する羽目になるとは思わなかった。

真剣な顔で、ブツブツと俺の持ち物を凝視しながら、洋服?時計?それとも靴??
どれも有名ブランドのものばかりだわっっ…なんて贅沢なっっ
一体いくらなの??ヒィ~~ッ 
敦賀さんといいアイツといい…芸能人はこれだから…
そうはいっても、私もそうならなきゃいけないのよね…
イメージを崩さない為にもお金がかかる…なんて、因果な商売なの…ブツブツ…

論点がずれてきた彼女の独り言に思わず突っ込んでしまった。

「…って、買い物じゃないから!俺が君に何か強請るわけがないでしょ!」

そういうとあからさまにほっとした顔をして、じゃあ何ですかって訊いてくる…。
きゅるるんっと澄んだ瞳でみつめられて、ドキッとしながらも、
何でわかんないんだよって…イラッとする。

だけど、じーっと答えを待つ彼女にみつめ続けられ、毒気を抜かれてしまった。

( ~~~くそっ、なんでこんなに可愛いんだよ…っ )

「…なんで俺が、怒ってたかわかる?」

そう聞くと、なぜでしょうと首を傾げる…彼女。

はぁ~~~~~~・・・っと盛大な溜息をわざと吐き出して、呆れ顔をしてみる。

ダメ息だと呟いた彼女は、うーんうーんと思いつく理由を口にするけど…どれも的外れ。

・・・仕方ないから教えてあげる事にした。

君が好きだからだよって        

両手で彼女の肩を掴んで、まっすぐにみつめて…告げた瞬間、きょとんとした彼女の顔が真っ赤になった。
そんな彼女の反応に少しだけ期待してしまうけど、それを邪魔するようにこの間の二人が浮かぶ。

…彼女の返事を待たずに俺は言葉を続けた… 

「彼と付き合ってないっていうなら、俺と付き合ってよ…?
そうしたら…信じる…この写真も、消してあげるから…」


搾り出した言葉、手も震えてる…なんて情けない告白なんだって自分でも思った。

( こんな卑怯な真似をして         … )

困った顔をした君に、胸がズキズキと痛む。

…他にもっといい方法があったかな… だけど、普通に告白したって君はきっと俺を見てくれない。

この前見た…二人に割り込む為には…こんな方法しか思いつかなかった。

「ごめんね…ごめん…でも、君が好きなんだ…」

そう云って彼女の肩を掴んだまま、俺は顔を伏せた。


→ 3話へ続く






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コメント

4周年おめでとうございます!

これからも作品を楽しみにしてます!!

このお話は。
なるほど!

蓮さんが馬の骨に奮闘記するのではなく、タイトル通り馬の骨が奮闘するお話なのですね!!

実に楽しいです。キョコさんと彼のやり取りに爆笑しました!!

おめでとうございます!!\(^o^)/

祝4周年、おめでとうございます!!&いつもいつも素敵なお話ありがとうございます!!\(^o^)/
そして、これからも素敵なお話待っています!! よろしくお願いします!!\(^o^)/
悠君って、蓮様みたいですね。タイプの似た二人。
蓮様VS悠君、どんな展開になって行くのか楽しみです(≧∇≦)

Re: 4周年おめでとうございます!

ハイ!馬の骨が奮闘し、散っていく様を華麗に?!焦れ焦れな蓮さんと共に書き綴っていくお話でございます。
楽しんでもらえるよう~ガンバリマス!

Re: おめでとうございます!!\(^o^)/

ありがとうございます~。
これからも頑張って書いていきたいと思います。
蓮さんVS悠君 部が悪いのはどっちなのか…(≧∇≦)
楽しんでもらえるよう頑張りまーす♪

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