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☆Novel contents☆ 

2010.2月に書き始めた作品です。
26巻 ACT.152バイオレンスミッションフェーズ1以降の展開は含まれておりません。

Switch ~君を守りたい~☆contents☆ 


Switch ~君を守りたい~ ACT.3

(SIDE キョーコ)

「……」

無理やり連れてきたくせに…ショータローは、神妙な面持ちで黙ったまま…話を切り出そうとしなかった。

大将やおかみさんに迷惑をかけるわけにはいかないからと、文句だけ言って帰るつもりだったのに…。

*******

一週間程前、椹さんからの呼び出しで事務所に顔を出した私は         

「最上君、君にビッグニュースだ。富士から君を主演に使いたいってドラマのオファーがあったぞ」

「…え?」

「まだこの業界に入って1年ちょっとの君が、まさか主役に抜擢されるなんてな…
これは快挙だぞ!未緒、ナツと…ドラマ続きで大変かもしれないが、それも君の演技が評価された証だ。
芸能界は人気勝負の世界でもあるからな、この調子で頑張ってくれよ?
どんな内容かはまだ聞いてないが、社長の話じゃ…緒方監督が君のために直々に手掛けたらしいぞ。
役者冥利に尽きる話じゃないか!オファーは受けといたから、君もそのつもりで!
詳しいことは追ってまた連絡するから…」

まるで自分のことのように喜ぶ椹さんに圧倒されながらも、嬉しかった。

( 私が主役だなんて…夢みたい。)

恥ずかしいけど、BOX'R'が放送されてから、周囲の反応が変わってきたのは感じてた。
ナッちゃんは、苛め役だけど…カリスマ女子高生っていう設定だからか、女子高生からの支持がすごく高かった。
カッコイイとか、クールビューティってもて囃されて、雑誌や番組でも取り上げられ、ロケ先で黄色い声援を浴びることもあった。…でも、そんな声援にも、ナッちゃんはすごくクールなんだけど。

         タンタンタンタン…パタンッ 

だるまやの2階へと駆け上がった私は、それまで我慢してた喜びを爆発させた。

本当~~~っ、もうっウソみたいよ~~~~~っっ ( ← どっちなんだ(笑) )
私が主役だなんて…私のために緒方監督が脚本まで書いてくれてるなんて…

舞い上がってクルクルと喜びの舞を踊っていた私は、敦賀さんのポスターの前でピタッとその動きを止めた。

( 敦賀さんに報告したら、喜んでくれるかな… )

…なんてポスターをみつめていたら、不意にあの日のことを思い出してしまった。

チュッというリップ音とともに頬に感じたやわやかな感触…

「…っ///」

( ダメっ…絶対、今、ものすごいアホ面を晒してたに違いないわ!)

パシッパシッ…っと両頬を叩いて誤魔化そうとしたけど、その頬はすごく熱かった。

自分に喝を入れて、もう一度気合を入れようと両手を広げた時、携帯が鳴った。

画面表示は非通知…事務所には寄ってきたから、仕事の電話じゃないはず…。

時刻を確認すると、11時を回ったところ…もしかして?

振り返って、ポスターの敦賀さんを見ながら、ドキドキする心臓を押さえて携帯に出た。

「もしもし、最上ですけど…」

「……」

相手からは応答がない…
おかしいな?…電波の悪いとこにでもいるのかしらと、あの人の名前を言おうとした時だった。

「敦賀・・・なんていうなよ!」

「?!」

聞き覚えのある声が返ってきて、思わず…言葉を飲み込んだ。

「ショ、ショータロー!?なんで?あんたが!!」

そういった後で、麻生さんの顔が浮かんだ。

( …教えないで下さいって言ったのに…
ううん、違うわ、ショータローの事だから、麻生さんの携帯を盗み見たのかも?? )

とにかく、相手がショータローとわかればとる行動は一つよ!

「私はあんたと話すことなんかないからっ!!」

そう云って用件も聞かずに、ブツッと電話を切った私は、すぐに電源を落とした。

そして、それから数日後、
同じように事務所に呼び出された私は、脚本を手にしたまま生ける屍となっていた。

緒方監督が書き下ろしたドラマ…タイトルは『 Switch ~君を守りたい~ 』

主人公の 南 愛香(みなみ あいか)は、17歳 

現在は高校を休学中で、バイトをして生計を立てている。
両親は無く、一人暮らし…一見すると可愛らしく健気な印象を与える少女だが、
彼女には別の顔が           

一人3役をこなす予定のそのドラマには、愛香だと気づかず、それぞれと交流を深めていく大学生が出てくる。

それが、綾瀬 隼人(あやせ はやと)愛香と恋に落ちる青年だ。

そう、このドラマは、愛香を守りたいと思うようになる隼人とのラブストーリーを描いたドラマ。

            神様…

これは、最近有頂天になっていた私への罰なんでしょうか?

ラブミー部に所属する私に、恋の演技をしろと…?

しかも、よりによって相手役の隼人を、敦賀さんが演じるなんて!!

「む、無理です~っ。私にはまだ主演なんて早かったんです。
オファーを取り消してください。緒方監督は私を買い被ってるんです!!」


社長に直談判して、泣いてお願いしてみたけど・・・

「う~ん…そうしてやりたいのはやまやまだが、緒方君にはもうOK出しちゃったからなぁ…」

ってにんまり顔で返されて、社長も了承済みだったことを知る。
これ以上、何を言っても無駄だと悟った私は、絶望に打ちひしがれた。
すると…社長は、やれやれって顔をした後、真剣な声で私に言ったんだ。

「最上君、君がラブミー部に所属してもう1年が経つ…これはチャンスだ!
愛すること、愛されること、真正面からぶつかってみろ。
君なら大丈夫だ。少しずつ、君は自分を作り上げてきただろう?
俺は、人としての大事なものを、取り戻してきていると思う。
それに、やる前から逃げ出すような君じゃないだろ?」


そう言えば、ピンチはチャンスだって、誰かが言ってたっけ       

私にできるのかな…あの人を相手になんて…でも、社長の目は、私に逃げるなって言ってた。

…今回のオファーを受けることが、人としての大事なものを取り戻すチャンス…。

自信はまったくないけど、できないって諦めたらそこで終わりだ。
この業界で、一流を目指すって決めた以上、いつかは通る道…

( 私はもう恋なんてしたくない。…でも、女優だから、ドラマの中では、何度でも誰とでも恋をする )

頑張るのよ、キョーコ!と、無理やりテンションを上げ、
昼間の続きを読もうと鞄から脚本を取り出した時、携帯が鳴った。

その電話が、こんな事態を招くとも知らずに…。

*******

       刻々と時間だけが過ぎていく。

重苦しい沈黙を破るように私は、わざと大きな声でショータローに文句を言った。

「…話があるっていったのはあんたでしょ!言わないんだったら帰るから!」

だって、…あんな思いつめた顔をしたショータローを、私は見たことがなかったから…。

→ 4話へ続く

[ 加筆修正 2013/11/8 ]
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