プロフィール

みー

Author:みー
FC2ブログへようこそ!


最新記事


最新コメント


月別アーカイブ


カテゴリ


月と星と妖精ダスト

  蓮誕まであと・・・

検索サイト


Ranking


アクセスカウンター


オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2
☆Novel contents☆ 

(それまでのお話)1話 2話 3話 4話 


CASE1  ~ 馬の骨奮闘記 ~ 5話

(SIDE 悠)

彼女を送り届けて…大通りへと出た俺は暫くして車を路肩に停めた。
そして、大きく溜息をついた後、そのままハンドルに突っ伏した。

「はぁ~~~・・・っ」

         あんな顔されたら、何も言えなくなる。

瞼に焼きついた彼女の困った顔…

この俺が、キス一つも奪えずに、次の約束さえ切り出せなかったなんて…ありえないだろ。

( 何やってんだ、俺は      …。)

きっかけが欲しかった…だけなのに、女の子にあんな顔させるなんて      …。

今さら後悔しても遅いし、ここまできたら…好きになってもらえるように頑張るしかないよなって自分に言い聞かせた。

翌日、なんて声をかけようかとドキドキしながら待っていたら、彼女は疲れた顔をしてよろよろと腰をさすりながらやって来た。

「どうしたの、京子ちゃんっ…大丈夫?」

周囲に気づかれないよう…彼女を気遣いながらそっと話しかけた。
すると、彼女は…

「なっ、だ、大丈夫ですっっ…ごめんなさいっっ」

って…俺の顔を見るなり脱兎の如く逃げていってしまった。

「…っ」

あからさまに避けられたことがショックで、俺はその場から動けなくなってしまった。

( ……あんな事、しなければよかった… )

俺の中で後悔ばかりが大きくなっていく       

それでも、他の共演者やスタッフがいるときは、いつもと同じように俺にも声をかけてきてくれた。
だから、避けられたのは、気のせいかな…って、二人きりの時にもう一度話しかけようとしたけど、結局…そのチャンスが巡ってくることはなかった。

忙しい彼女とはすれ違いばかりで、仕事だからって言い聞かせてきたけど、やっぱり…避けられているのかもしれない。

卑怯な手を使ってまで、その距離を縮めようとしたくせに、俺はかえって彼女との距離を広げてしまったらしい。

だけど、そんなプライベートも、カメラが回れば…一瞬でその距離を吹き飛ばす事ができる。

強くて美しい…彼女は、俺の最強で最高の相棒(バディ)だから     

どこか謎めいた魔力のような魅力を持つ女性…峰不二子のように、その美貌で男を手玉に取るのもお手の物。
だけど、その日の彼女は、特別色っぽかった。
その艶めいた煌きにドキッとさせられたのは俺だけじゃない。
心臓を鷲掴みするようなその熱い視線に、現場にいた誰もが頬を赤く染め見惚れていた。

老若男女問わず…その気にさせるなんて、やっぱり彼女はスゴイ。

長谷部が魅せられるのも無理はない。俺自身が彼女に惹かれてしまうのも      

だが、ドラマの中で、長谷部の想いが間宮に届く事はない。

        彼女にはずっと捜し求めていた大切な人がいるから。

…それが、今まで謎とされていた組織の黒幕であり、間宮の…

そして、その役を演じるのが、最終話のスペシャルゲストだ。

監督の話では、かなりの大物にオファーを出してる…ってことだったが、撮影当日まで共演者である俺達にも知らされていなかった。
だから、一体誰が演じるんだと…現場でもその話題でもちきりだった。

( 最終話の台本も直前まで書き直してたらしいし、結局、台本にも名前がのってなかったな… )

期待が募る中、最終話の撮影がスタートした。

間宮の捜し求めてた大切な人…それは、生き別れた兄だった。

少年時代に、ある事件で親友を亡くした彼は、その事件をきっかけにそれまでの価値観を失ってしまう。

その事件は、貧困と差別…国の抱える闇の歴史が深く関わっていた。
…そして、その時の事件を担当指揮していたのが、彼の両親だったのだ。

その事実を知った彼は、ある日、忽然とその姿を消してしまった。

間宮は、そんな兄を探し出す為、警察官になったんだ。

彼女にとって、兄は     家族という枠を超えた特別な存在。

そのことに気付きながらも、長谷部は彼女に協力し、組織を追う傍らで兄探しを手伝うようになる。
そして、ひょんなことから追っていた組織の中の重要人物が間宮の兄であることが判明する。

変貌した兄の姿を知り愕然とする間宮だったが、兄の暴走を止めるべく、一人で勝手に組織に潜入してしまう。
相棒である長谷部と消息を断った間宮はその日…潜入先で兄とその一線を越える。

長谷部が間宮からの情報をヒントにアジトへと駆けつけたときには、すでに組織は壊滅していた。
大量の血痕が惨劇を物語っていたが、そこに二人の遺体はなかった。

そして、すべてがまた闇の中へ…事件そのものが、なかったことにされた    

国家の安全と威信を保つ為、常に世の中は情報を操作されている。

それから数年後、警察を辞めた長谷部は、彼女の行方をつきとめた。
そこには、銃弾を受けた後遺症で記憶を失った青年と穏かに暮らす金髪の彼女がいた。

間宮塔子という女性は、この世に存在していなかった。

彼女は、彼の亡くなった親友の妹        … 

調査書を破り捨てた長谷部は、愛おしそうに彼女をみつめたが、声をかけることなく、そっとその場を後にした。

それが、最終回のストーリー…そして、その兄役を演じることになったのが…

その日の朝、彼女と一緒に現場にやって来た敦賀蓮だった。

( なんでよりによって、最終回の大物ゲストが敦賀蓮なんだよっっ…
しかも仲良く一緒に現場入りって…っ )

あの日以来、付き合ってるとは…とてもじゃないが言える状態じゃない彼女と、仲睦まじく現場入りしてきたその男に俺は激しい嫉妬を覚えた。
でも、卑怯な手を使った自分を恥じていた俺は、そんな二人を直視できずにいた。

だが、そんな俺にあの男は、爽やかな笑顔をして…信じられない速さで近づいてきたんだ。

( コンパスの違い?なんであんなに早く移動できるんだ?!)

あっという間に目の前へとやって来た敦賀蓮に、笑顔が引き攣る…

「君が西田悠君…だったかな、初めまして、敦賀蓮です」

そう云って、にっこりと笑顔で握手を求められた俺は、仕方なく右手を差し出した。
次の瞬間、グイッとその腕を引き寄せられて、耳元で囁かれた。

「…悪いけど、彼女は渡さない…写真も好きにしてくれて構わないよ?」

低い声で、背筋が凍るような殺気と共に告げられた言葉に耳を疑った。

「?!」

ハッと見上げた彼は、嘘みたいに眩しい笑顔をしていて、幻聴だったのかって思わず辺りを見回した。
その時、彼の肩越しに、ごめんなさいごめんなさいって拝むように謝る京子ちゃんの姿が見えたんだ。

さっきのアレは幻聴なんかじゃないらしい…
っていうか、敦賀蓮といえば温和で紳士が代名詞のトップスター…じゃなかったのか?

…猫を被るにも程があるだろう…さっきのは宣戦布告のつもりかよっ…

       バラされても構わない…だから、なかったことにしろって?

京子ちゃんは、コイツに迷惑かけたくないからって、俺と付き合うことを選んだんだ。

それなのに一体いつ…こんなことに       

もしかして、あの時の電話…あの後、彼女と     

そこまで思い出して、俺は気がついてしまった。

あの日の翌朝、京子ちゃんが…よろよろと疲れた顔で腰をさすってやってきた理由を…

キッと敦賀蓮を睨み、目を細めた俺は…そのでかい図体を舐める様に上から下へと何度も凝視して、…呟いた。

「…負けた」

俺だって身体には自信があるつもりだったが、勝てないな…って、潔く負けを認めた。
肩を竦めて、フッと溜息交じりの笑みを零した俺は…皮肉たっぷりに彼に言ってやった。

「悔しいけど、俺にはできなかった…さすがは敦賀さんだね?」

恋愛に興味のない女の子をその気にさせる…普通のコ相手なら俺だって自信があったけど、彼女には結局、何もできなかった…。
あの京子ちゃんを相手に…その気にさせるなんて、俺にはきっと一生できない…

「…何のことだ?」

芸能界一抱かれたい男…に抱かれたら、そりゃ落ちるよな…って、だけどやっぱり…諦めきれなくて…

「別に…あーあ!こんなことならあの時無理やりにでもキスしとけばよかったなぁ~っ」

そうしてたら、何かが変わっていたのかもしれないって…もっと悪あがきすればよかったって思った。

「!」

そんな俺の言葉に顔色を変えた敦賀蓮を見て、俺は笑った。

「…ハハッ…そんな怖い顔してるとみんなにバレちゃうよ?似非紳士だってことが」

もっと余裕があるのかと思ってたけど、そうでもないらしい…。
すると、いつの間にか、近くに来ていた京子ちゃんが…俺の言葉を聞いて言った。

「…悠君、どうしてそれを…た、確かに敦賀さんは似非紳士だけど、でも…」

どうやら、彼のほうが彼女に夢中らしい…でも      

「尊敬すべき大先輩…から、恋人になったんでしょ?
いいよいいよ、わかってるから…本当は俺がなりたかったけどね…京子ちゃんの初めての人に」


小さな声で、口説くようにそう囁くと…彼女は真っ赤な顔をして慌てた。

「…ええっ、ちょ///何言って…」

そんな可愛い顔されたら、もっと意地悪したくなるだろ…

「でも、俺、そういうの気にしないから…敦賀さんに飽きたら、声かけてね?
ずっと待ってるし…」


「なっ…悠君っっ///」

黙って聞いてる敦賀さんが、無表情で怒ってる…のが面白くて、俺は腹いせとばかりにわざと煽ってやった。

「…京子ちゃんだって、経験値欲しいでしょ…?役者なんだからさ…協力させてよ」

「…け、経験値…で、でも…」

「心配してもらわなくても大丈夫だよ、俺がいるから…
…飽きる暇なんて与えないから…ね、最上さん」


「ヒィっっ…」

赤くなったり青くなったりする彼女をみながら、俺は大声で笑った。
笑いすぎて涙が出てくるほど…
正直、すぐには諦められる気がしないけど…仕方ないよなって笑って終わらせたんだ。

俺は紳士だから、女の子には笑顔でいて欲しいし…ね。

~FIN~

おまけの一話… を間に合わなかったけど蓮誕として書こうと思います♪

→ あの夜とその後の二人 







スポンサーサイト
web拍手 by FC2

コメント

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP | 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。